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プライム ライフ テクノロジーズ・設立!
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スマートシティづくりを推進!
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●街や社会全体でモビリティサービスを推進していく
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2019年5月9日、トヨタ自動車とパナソニックは、街づくり事業に関す る合弁会社設立に関する共同記者発表会を行いました。出席者はトヨタ自動車の白崎正義執行役員、パナソニックの北野
亮専務執行役員。前日に行われたトヨタ自動車の決算発表での豊田章男社長の「CASE」、「MaaS」、「モビリティサービスプラットフォーマー」への対応の一環といえるものです。
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なぜいま、両社は合弁会社設立で街づくりを行うのか。江戸時代までは水運を使った街作りが進み、近年は鉄道、クルマを中心に郊外やベッドタウンなどがつくられてきた。さらに、トヨタとパナソニックの提携なのか、という点については、トヨタ自動車の執行部の意向はもちろん、長年、両社がパートナーシップを築いてきた点があり、親和性の高さ、同じモノ作りをしてきたメーカーであるという点を挙げている。
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トヨタとパナソニックは、それぞれホームメーカーを抱えていて、トヨタは本業のクルマ、「e-Palette」などのMaaSに注力しています。パナソニックは「Home
X」家電やIot、電池などに強みがある。
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両社の強みを活かし、新たに「プライム ライフ テクノロジーズ」を設立し、「トヨタホーム、ミサワホーム、パナソニックホームズ、松村組などが参加」。なお、「プライム
ライフ テクノロジーズ」は、トヨタとパナソニックが対等の持ち株を持つ想定で、パナソニックの北野亮務執行役員が社長に就く。
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合弁会社の出資比率は、トヨタとパナソニックが同一で街づくり事業に関連する新たな価値創出を目的とした覚書を締結した三井物産と今回の合弁会社の発展に資する協議を進めているそうで、三井物産による出資の可能性を含め検討していく予定。また、同合弁会社は、パナソニックおよびトヨタ自動車の連結の範囲外となる。三井物産の参加により、海外展開への期待もあるとしている。
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「プライム ライフ テクノロジーズ」の主な事業は、メーカーノウハウを使った省人化、自動化による「建設」の競争力向上、「住宅」はトヨタホーム、ミサワホーム、パナソニックホームズのバックヤードの共通化、「街づくり」として、マネジメント・サービスの高度化による「競争力の低い土地」の高付加価値化を掲げている。「競争力の低い土地」では、自動運転の実証実験なども想定されるはず。また、日本からパートナー連携で海外展開も想定しているそうだ。
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パナソニックの北野 亮専務執行役員は、具体的な街づくりのありようについては、今後に期待をしてくださいとしている。
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トヨタは、「e-Palette」を活用し、限界集落などの移動手段がなくなりつつある人にモビリティを提供し、さらには、移動販売車がやって来るなど、「モビリティサービスプラットフォーマー」としての事業を推進していく構え。トヨタの強みは、「e-Palette」という「MaaS」専用自動運転EVがあり、スマートシティそのものを作ることで、新しいモビリティ社会である「MaaS」でリードしたいという思惑があると思われる。
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こうした、トヨタが推進するモビリティサービスへの取り組み、パナソニックが進める「くらし」のアップデートへの取り組みを融合させつつ、街全体での新たな価値の創出が合弁会社設立の目的。MaaSでは、鉄道会社も積極的に推進していますが、トヨタとパナソニックは、鉄道会社に頼らない街づくりも狙いなのだろう。
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両社は、家電や住宅設備などの急速なIoT化や、モビリティにおける「CASE」、クルマ、公共交通などの移動手段をITでつなぎ、サービスとして提供する「MaaS」などの進展により、今後急速な変化が進むと考えられる街づくり事業の成長、発展を模索しつつ、人々のより良い暮らしの実現を目指すとしている。
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新会社の戦略については、新会社の社長に就任予定の北野氏から説明があり、新会社では「住宅」「建設」「街づくり」といった3つの事業を推進。トヨタとパナソニックのノウハウも活用しながら“街全体でのくらしの新たな価値”の創出を目指すという。
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各事業の基本戦略としては、住宅事業では、パナソニックホームズ、トヨタホーム、ミサワホーム、3ブランドの個性を強化するとともに、調達、製造、物流などバックヤードの共通化により業界トップクラスの競争力実現を目指す。
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建設事業では、「オフィス」「商業施設」「ホテル」「学校」「病院」の領域において、デジタライズやロボティクスなど、パナソニック建設エンジニアリング、松村組のノウハウを活用して、効率化・省人化・自動化による競争力向上を目指す。
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また、街づくり事業では、パナソニック建設エンジニアリング、松村組が企画設計に加わりながら、パナソニックホームズ、トヨタホーム、ミサワホームによる宅地開発を実施。居住者に向けたマネジメント・サービスを高度化させることにより、競争力の低い土地に対する高付加価値化を目指すという。
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新会社で目指す街づくりについては「スマート・ライフ・タウン」と題して、ライフライン、通信、保管、モビリティ、セキュリティ、保険、買物、物流、家事といった生活に関わるインフラについて、最先端の技術で高度に最適化され、進化し続けるプラットフォームとして居住者にサービスを提供。いつまでも安心・快適・便利なくらしの提供を目指すという。
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つづく
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