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市長選のしこり・共産党候補の応援に走る反二階派!
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4月7日投開票される統一地方選前半戦の和歌山県議選で、二階俊博・自民党幹事長の「お膝元」の御坊市選挙区(定数1)が揺れている。共産党新人と自民党現職の一騎打ちだが、保守分裂となった3年前の市長選のしこりが今も根強く、共産党新人は1年半前の衆院選で二階氏に善戦したばかり。対する自民党現職は、かつてなく危機感を強め、徹底した総力戦を展開する。結果次第では二階氏の政界への影響力にも波及しかねず、混戦の行方に注目が集まっている。
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「皆さんの代表として県政に押し上げてください」。4月3日。共産党新人の楠本文郎氏が街頭演説すると、大きな拍手が送られた。陣営幹部は「こんな反応は今までなかった」と手応えを強調する。
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第一声では御坊市の部長まで務めた職員OBがマイクを握り、支持を表明。選挙事務所には、保守とみられていた有権者も出入りする。後援会の広報紙には無所属の元市議が支持者として名を連ね、党派を超えた広がりをうかがわせる。
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陣営は「市民派」を前面に押し出す作戦で、有権者に配るチラシには「党を選ぶ選挙ではありません」と記載。共産党の主張する憲法改正反対や安全保障関連法廃止といった文字はみられない。
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陣営幹部は語る。「共産対自民ではなく、二階氏への批判票をいかに集めるかの戦いだ」
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二階氏のお膝元が揺れる背景には、保守分裂となった平成28年5月の市長選がある。現職の柏木征夫氏が立候補を表明する中、自民党は二階氏の長男、俊樹氏を推薦した。今回の県議選に立候補している自民党現職の中村裕一氏は二階氏の秘書を務めた経緯もあり、俊樹氏を支援。
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それが「市長派」の反発を招いて真っ二つに。俊樹氏は敗れ、分裂の禍根が残った。
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そして翌29年10月の衆院選。二階氏と楠本氏は3区で対決し、市内では二階氏の6715票に対し、楠本氏は5099票と善戦した。今年1月の市議選では、それまで自民党公認だった現職2人が無所属で当選するなど保守分裂の余波は続いた。ある市議は「市長選をめぐる反発は予想以上に強い」と明かす。
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保守分裂のあおりを深刻に受け止める中村氏の陣営は「多くの『厳しい』という声をいただいている」と危機感をあらわにする。
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現在8期目の中村氏は、過去7回が無投票当選だった。唯一選挙戦となった23年は当時の民主党の新人に圧勝したが、自民党関係者は「市長を含めオール与党で戦った前回と今回は全く違う。中村氏自身にどれだけ票があるか読めない」と話す。
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中村氏も「1人区で『勝てる』と対抗馬を出されたこと自体が不徳の致すところ」と話し、市内をくまなく歩いて支持を訴える異例の“どぶ板選挙”を展開。「共産党に負けるわけにはいかない」と対抗心をみせる。
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さらに「二階氏のお膝元で議席を渡すわけにはいかない」と県議選で無投票当選した自民党現職の応援も受け、てこ入れを図る。
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市長選以降、色濃く残る保守分裂のしこりを解消できるか試される今回の選挙戦。中村氏の支持を表明する別の市議は「後援会から『なんで(中村氏を)応援してるんや』と反発されることもある」と明かした上で、期待もこめて語る。
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「(二階氏のお膝元で)議席を渡せば、政治は停滞する。それは有権者も理解してくれるはずだ」
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■和歌山県議選・御坊市選挙区(定数1)
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楠本文郎 64 元御坊市議 共新
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中村裕一 59 党県政調会長 自現〔8〕
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