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京都の大病院と暴力団との癒着と言われた!
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刑務所で服役するはずの暴力団幹部の健康状態について、ウソの診断報告書を作成したとする罪に問われていた医師に対し、京都地裁は「記載内容が虚偽であると認めることはできない」として無罪を言い渡した。求刑は禁錮1年6月だった。
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無罪判決を受けたのは、京都市の康生会・武田病院に勤務していた医師の全栄和被告(63)。全被告は3年前、山口組系「淡海一家」の総長・高山義友希受刑者が刑務所に収監されるのを免れさせるために、ウソの診断報告書を作成したとする罪に問われていた。
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一連の事件では2017年2月、京都府立医科大学病院の医師らが高山受刑者について「刑務所の収監に耐えられない」とする虚偽の診断書を作成し検察庁に提出した疑いがあるとして、京都府警が家宅捜索に乗り出した。その翌日には、当時全被告が勤務していた民間病院の武田病院も捜索し、京都の2つの大病院と暴力団との「癒着」として捜査が進められた。
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ところが、京都府立医大病院の元院長らは証拠不十分として不起訴処分に、全被告だけが起訴された。
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公判では、検察側は組長が腎移植手術を受けた後、不整脈が出ていないにもかかわらず、組長側の意向を受け、「約3年前のデータを流用し虚偽の診断を行った」と指摘。一方、弁護側は、腎移植後も不整脈の自覚症状があり、病状は改善しておらず「適切な診断だった」と無罪を主張していた。
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そして3月19日に迎えた判決。京都地裁は「回答書の作成時に、高山受刑者には重症心疾患が認められず心機能も正常だった」とする一方で…。診断書について「医学的、客観的にみて真実に反するというには合理的疑いが残る」と判断した。
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【判決】
「過去の検査結果などから(重症心疾患の)出現を推察することが不合理とは認められない。医学的・客観的に見て、真実に反するというには合理的疑いが残り、記載内容が虚偽であると認めることはできない」と無罪を言い渡した。京都地検は無罪判決に対し「判決内容を精査し上級庁と協議のうえ、適切に対応したい」としている。
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