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党が指導・イスラム教を「中国化」!
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中国の新疆ウイグル自治区に約1000万人が暮らすウイグル族は、トルコ系少数民族だ。その多くはイスラム教徒で、中華人民共和国が中華民国時代だった1930~40年代に「東トルキスタン」建国を目指す動きが起きるなど、歴史的にも漢族との確執を抱えてきた。
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2009年には、民族政策への不満や社会的な差別を背景に、新疆ウイグル自治区ウルムチ(首府)でウイグル族と漢族が衝突し2000人近い死傷者が出たこともある。
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「それ以来、中国当局によるウイグル族弾圧は苛烈を極め、今や100万人以上が自治区内の『再教育キャンプ』と名付けられた強制収容所に入れられています。こうした弾圧対し2月9日、トルコ外務省が中国当局へ『ウイグルのトルコ系住民の基本的人権の尊重と再教育キャンプの閉鎖を勧める』と、中国の行動を極めて強く非難する声明を出し、注目を浴びたのです」(中国ウオッチャー)
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トルコは、09年にエルドアン首相(現:大統領)が弾圧について「ある種の虐殺」と非難し、15年には中国から逃れてきたウイグル人難民に避難所を提供したこともある。
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マレーシアの次期首相予定者アンワール氏もウイグル族弾圧については、これはウイグルのみならずイスラム世界の悲劇である。100万人がすべてテロをしているとは到底言えない。問題は多くの国が沈黙していることである。ほとんどのイスラム諸国はウイグルのために北京に抗議できない。なぜならば、中国の投資に依存しているからである」
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と述べている。インドネシアでも野党の大統領候補の陣営が、ウイグル族弾圧について問題提起している。
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中国の「一帯一路」政策に伴う投資や開発援助などの赤いカネ、つまりシャープパワーに、貧しい国はなす術もない。富裕国であるカナダさえ、孟晩舟ファーウェイCFOを拘束した際には報復外交を仕向けられた。
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スウェーデンでは、中国人観光客が路上で理由もなく警察から暴力を受けたと訴えたが、対中国国内向けの宣伝であり、指令された「演出」でないかとウワサされた。
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「この問題は、香港にあった『銅鑼湾書店(中国共産党に批判的な出版社)のオーナーが、タイの保養先から中国当局に拉致された事件に絡んでいます。このオーナーがたまたまスウェーデン国籍であったため同国から執拗な釈放要求がなされ、『中国には表現の自由がない』との抗議が北欧諸国にも起きたのです。中国はスウェーデンへの旅行を禁止しました」(前出のウオッチャー)
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話はトルコに戻るが、同国の政治経済の中心地イスタンブールのファテー地区はウイグル族の居住区となっており、付近にはイスラムの建物が点在している。もちろん地区住民には中国のスパイが混入しており、テロとの関連を警戒している。ウイグルの若者約5000名から1万名がISに流れたが、その拠点が、このファテー地区とされていたからだ。
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「中国からトルコへの観光客は18年に80%増えていましたが、それはトルコ政府が『一帯一路』に協力したばかりか、ウイグル族弾圧には無言を貫く代償として36億ドルの融資を中国工商銀行から得ていたからです。過去のトルコ政権は中国に投資を依存していたのです」
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中東諸国にも中国の札束外交の魔手が伸びており、しばらくウイグル族弾圧に無言だった。しかし最近は中国共産党への抗議デモが各地で組織されるようになり、「人類の恥」「ナチスより酷い」というプラカードが並んでいるが、今のところ中国共産党政権には馬耳東風である。
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2019年1月5日、北京でイスラム教の「中国化」5カ年計画について議論した中国イスラム教協会の会議=同協会のホームページから
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中国で、社会主義の価値観に合わせてイスラム教を「中国化」する5カ年計画が進められることになった。習近平(シーチンピン)指導部の意向を受けた中国イスラム教協会が計画をつくり、各地に伝達した。近く概要を公表する見通しだ。7日付の環球時報(英語版)が伝えた。
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習指導部は、共産党の指導よりも信仰を重視しがちな宗教への統制を強めてきた。イスラム教徒が多く、独立の動きもある新疆ウイグル自治区では再教育施設をつくり、国際的な批判を浴びている。協会側は「イスラムの信仰や習慣は変えない」としているが、宗教への新たな圧力として反発も出そうだ。
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同紙や協会の発表によると、計画期間は昨年から2022年までの5年間。習指導部が提唱する「新時代の中国の特色ある社会主義思想」を徹底し、党の指導に従う内容となるという。
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信者が集まるモスクで、中国の法律や社会主義の価値観を教える講座を開いたり、模範的なイスラム教徒の物語を伝えたりして、イスラム教徒を正しい方向に導くとしている。教材も使われるという。
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5日には北京で、党幹部も参加して協会の会議が開かれた。北京、上海、広東、青海、内モンゴルを含めた8市・省・自治区の協会の代表が議論し、計画の基本政策を了承。各地に伝達したとしている。キリスト教についても同様の動きが進んでいる。
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世界ウイグル会議ピーター・アーウィン氏はBusiness Insiderに以下のように語った。
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「イスラム諸国はウイグル人を支援し、中国を批判するだろうというある種の期待はあった。しかし、そうした動きはない。中国が一帯一路構想のもとで示している経済的な野心を考えると、同構想がどれほどの成功を収めるか否かにかかわらず、今後も批判は起きないと考えられる」
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ウイグル人弾圧に対してイスラム諸国が中国に抗議しない理由を、中国への経済的依存のみに求めるのは単純過ぎるだろう。
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シドニー工科大学のヴァン・ニーウェンハウゼン氏は、イスラム諸国の多くは人権問題について悪しき実績を抱えており、個人の権利よりも社会の安定を優先している。そして、これは中国とよく似ていると語った。
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中国は新疆ウイグル自治区での弾圧について「平和を守り、テロを防ぐため」と正当化した。ウイグル人武装勢力は、2009年から2014年にかけて、死者を出した新疆ウイグル自治区での暴動や中国各地でのテロ攻撃を主導したとして糾弾された。
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また、多くのアラブ諸国は人権よりも社会の安定を優先させることについて「中国と同様の理解を示している」とヴァン・ニーウェンハウゼン氏は指摘した。
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「中東諸国の多くは、自らも人権問題について悪しき実績を抱えている。これには宗教的少数派への対応も含まれている。多くの国が人権に対しては中国と同様の認識を持っている。つまり、社会の安定は個人の権利に勝るという考え方だ」
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「こうした考え方は、中国政府が再教育キャンプや他の抑圧的な政策について、その存在を正当化する際に拠り所にしているもの」
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エルキン氏も、ペルシャ湾岸諸国の多くは中国を批判する政治姿勢を取る余裕はあるが、これらの国々は「その大半が極めて独裁的な政治体制をとっており、自国への干渉を避けるために、他国の国内問題には干渉しない」と述べた。
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「イスラム諸国がウイグル人に対する恐ろしい弾圧、特に東トルキスタンで行われている文化浄化について沈黙していることは苛立たしいことだが、意外なことではない」(東トルキスタンは、ウイグル人が使う新疆ウイグル自治区の名称)。
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