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イランとの貿易維持のため!
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米制裁に対抗・英仏独3カ国が新組織を発足!
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『AFP通信』、2月2日付けによると、イランは、射程距離が1350km以上にも及ぶ巡航ミサイルのテストに成功したと発表した。この発表は、イランのイスラム革命の40周年記念日と時を同じくして行われた。
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この新しいテストは、米国が、中東の安全保障を脅かすとして、イランに対してミサイルやロケットの発射の禁止を主張している最中に行われたことになる。
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イランのアミール・ハタミ防衛大臣は、2月2日の式典での席上、巡航ミサイル、ホベイゼは1200kmの距離を巡航後、目的の地点に到達し、テストは無事成功したと発表した。さらに、防衛大臣は、このミサイルが、短時間のうちに準備でき、低い高度で巡航できると説明し、イラン国の防衛力の強化を目的としていると強調した。
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2017年にロンドンの国際戦略研究所(IISS)で出版された報告書によると、イランはこれまで射程距離が200kmから2000kmに及び、450㎏から1200㎏重量を搭載可能な多くのミサイルを開発している。 今回、テストに成功した地対地ミサイル、ホベイゼは、2015年に公表された射程距離700kmのスマール巡航ミサイルに続くものである。
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イランのこのようなミサイル開発計画に対しては、中東とイスラエル地域の政治情勢を不安定状態に陥れるものだ、として米国が強く非難している。
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1月中旬、イランが人工衛星を軌道に乗せることに失敗した時期に、米国のポンぺオ国務長官は、弾道ミサイルの技術改良を企てているものとしてイランを強く糾弾した。
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『ロイター通信』『BBC』『CNBC』などのメディアが報じた。米国は昨年、イランと主要国による2015年の核合意から離脱し、イランに対する経済制裁を復活させた。同合意は、イランが核開発を大幅に制限する見返りに、米欧が対イラン経済制裁を緩和するもので、英仏独の3カ国は、米国の合意からの離脱に強く反対した。
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イランも、欧州諸国がイランの経済的利益を保証しなければ、合意から離脱すると警告した。これに対し欧州諸国は、イランが核合意を順守する限り、欧州企業がイランと取引を行うよう支援すると約束していた。
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本SPVの登録名称は「貿易取引支援機関(INSTEX)」で、フランスで登録され、ドイツの銀行家で元コメルツ銀行取締役のフィッシャー氏がトップを務めることになるという。英仏独3カ国が株主で、今後イラン側でも体制整備に取り組むが、他国の参加も期待されている。既存のイランとの貿易ルートの多くは米国が関与し、制裁対象のイランへの送金が難しいため、新たな仕組みを構築するものである。
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INSTEXの用途としては、イランが石油・ガスを輸出し、引き換えに欧州連合(EU)の製品を購入することが検討されている。しかし現実的には、人道支援のための製品や医薬品、医療機器、食料品など小規模な貿易にのみ使われるにとどまると言われている。
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ある欧州の外交官はINSTEXについて、「劇的に事態を変更することはないだろうが、我々がイランとの合意を継続する決意を固めていることを示すための、同国に対する重要な政治的メッセージとなる。また、米国の治外法権的な制裁にもかかわらず、我々の利益を守ることを示すための米国に対するメッセージでもある。」と指摘した。
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英国のジェレミー・ハント外相は、3カ国は最終合意に向けてイランと密に協力しているとして、「登録は大きな一歩だが、まだなすべき仕事がある。」と説明した。イランのアッバス・アラグチ外務次官は、この貿易の仕組みは良好な最初の一歩と評価している。一方、米政府は1月31日、INSTEXは、イランに対する経済制裁の再発動の流れを止めることはないと見ているとの見解を示した。
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