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外国人の旅行消費額は約4.4兆円・2017年!
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25%が中国人!
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米国との貿易摩擦で経済成長の減速感が強まってきた中国。米国に次ぐ経済大国だけに、その波紋は大きく、2018年に訪日外国人が初の3000万人を突破し、拡大する日本の観光ビジネスにも影を落としかねない。訪日客の消費は地方の貴重な財源となっているため、中国がくしゃみをすると風邪をひくリスクの高い自治体も。10月の消費税増税も控え、地域経済の先行きは警戒が怠れない。
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JTBの調査によると、今年の訪日外国人旅行者数は18年見通しに比べて12.3%増の年間3550万人と、引き続き拡大が見込まれるという。欧米や東南アジアからの旅行者増が期待できるほか、ラグビーワールドカップ日本大会の開催が追い風になるとの予測だ。17年の訪日外国人の旅行消費額は約4.4兆円と5年連続で過去最高を更新しており、18年に続き、19年も訪日客が拡大すれば景勝地を中心に地方経済への恩恵は大きい。
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ただ、日本政府観光局の統計や観光庁の調査など、訪日外国人客の関連データを改めて点検すると、中国依存の構造問題を痛感させられる。
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17年までの5年間で訪日外国人旅行者数は約3.4倍に拡大した。
この間の推移を国籍・出身地別の構成比でみると、旅行者数が約5倍に伸びた中国が約17%から約25.6%に突出して増加している。続いて香港が約5.7%から約7.8%に上昇したが、ほかに大きく比率が拡大した国・地域はない。
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伸びが期待されている東南アジアのタイ、インドネシア(人数ベースでそれぞれ約3倍以上増加)も構成比ではそれぞれ0.3ポイント増と、横ばいにとどまる。
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中国比率の急拡大は、地理的な近さや高成長に伴う富裕層の増加、日本政府が戦略的にビザの発給要件を緩和したことを考えれば当然の帰結だが、やはりこの偏重リスクには注意が必要だ。
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世界銀行は、今月まとめた世界経済見通しで、今年の中国の実質成長率の伸びを、米国との貿易摩擦の影響を踏まえて従来予想から0.1ポイント減の6.2%に下方修正。18年見通しの6.5%成長から減速すると見込んだ。
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習近平政権は、金融機関から強制的に預金の一定割合を預かる預金準備率の引き下げなど、金融緩和による景気下支えに動いているが、貿易摩擦が激化すれば影響の拡大は避けられない。
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中国からの訪日客の大幅な拡大は、安倍晋三政権の下で進んできた日中関係の改善も一因だ。だが、米中の覇権争いで、この先、日米同盟を重視する日本と中国の関係は悪化に転じるかもしれない。その場合、中国依存度が高い訪日ビジネスは「外交カード」にされかねない。
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事実、台湾と中国の観光ビジネスでは、15年の約418万4100人まで順調に拡大していた訪台中国人旅行者の流れが、台湾の政権交代で一変。
中国政府に対して厳しい姿勢をとる民主進歩党(民進党)の蔡英文氏が台湾総統に就任した16年の訪台中国人旅行者数は前年比16.1%減、17年は22.2%減と急減した。
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その影響もあり地域経済が落ち込んだ結果、昨年の台湾統一地方選挙では民進党が大敗。中国に融和的な中国国民党候補が市長の座を奪った高雄市では今、中国人旅行者の増加が見込まれているという。台湾のケースをみれば、経済合理性とは異なる政治的な理由で人の流れまで変わる中国リスクも浮き彫りになる。
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今年以降の訪日ビジネスには韓国リスクも不安材料だ。
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日韓関係は、いわゆる徴用工として労働を強制されたと主張する韓国人男性らの訴訟問題や、韓国海軍の駆逐艦によるレーダー照射の問題などで急速に悪化している。中国のようには、政治問題が民間の人の流れをせき止めるとは思わないが、悪影響の懸念は残る。
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韓国は訪日外国人数と訪日消費額で、ともに中国に次ぐ2位の比率を占める。また、地理的な近さから九州では中国を上回る。外国人延べ宿泊数の国籍・出身地別実績による韓国比率は大分県で62%、佐賀県544%、福岡県50%と高い。
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20年の東京五輪、25年の大阪万博を控え、順調にみえる訪日ビジネスだが、中韓が客数・消費額とも、合わせて5割を占める構図には危うさが残る。
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