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ロシアの腹の内は複雑怪奇!
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日本の上月豊久駐ロシア大使は、日本とロシアは可能性に応じてプーチン大統領と安倍首相の会談を2019年に大阪で開かれるG20サミットの場で実施することで合意したと発表した。G20大坂サミットは、2019年6月28、29日に開催予定。
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プーチン大統領は安倍首相と会談を行い、安倍首相が2019年初めにロシアを訪問することで合意したと明らかにした。プーチン大統領は記者会見で「それに加え、私たちは安倍首相が来年始めにロシアを訪れることで合意した。だが、私も訪日できるかもしれない」と述べた。
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ロシアのプーチン大統領は、安倍首相に新年の書簡を送り、「建設的な対話の継続を期待している」と表明した。ロシア大統領府は12月30日、プーチン大統領が安倍首相に宛てた書簡の内容を発表した。
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プーチン大統領は、その中で、「2国間の協力のための条約・法律上の基盤拡大や、極東での共同経済プロジェクトの実現に関するものを含めて、建設的な対話の継続を期待している」と表明し、「日本との関係には、相当な潜在力がある。それは、最近の首脳会談でも裏づけられている」と強調した。
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両首脳は、12月1日の会談で平和条約交渉を加速させることで合意していて、2019年1月21日を軸に、再び首脳会談を行う方向で調整が進んでいる。
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プーチン大統領は、書簡の中で、日本が2019年6月のG20(20カ国・地域)サミットで議長国を務めることにも言及し、幅広い国際問題をめぐって、日本と対話を進めることに意欲を示している。
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ロシアのプーチン大統領は、トランプ米大統領に新年のあいさつの書簡を送り、「広範囲な課題」について対話の用意があると表明した。
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米ロ首脳の会談は、2018年7月にヘルシンキで行われたのが最後。11月末に20カ国・地域(G20)首脳会議にあわせて予定されていたが、ロシア軍のウクライナ艦船拿捕問題を受けて米国が中止していた。
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安倍晋三首相は1月1日放送のテレビ朝日の番組で、ロシアとの平和条約交渉で焦点の一つとなる北方領土での在日米軍の扱いに関し「日本や極東の平和と安全を守るために在日米軍の存在があり、決してロシアに対して敵対的なものではない」と強調した。12月27日に収録された。
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首相は在日米軍問題に関し「今までもプーチン大統領に説明してきた。必ずご理解いただけると思う」と期待を示した。北方領土に住むロシア人については「『出て行ってください』という態度では交渉は成り立たない。日本人と一緒に住んで仕事をすればもっと豊かになる、と感じていただくことが極めて重要だ」と述べた。
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ロシア大統領府が12月30日発表した声明によると「プーチン大統領は(ロシアと米国の)関係が戦略的安定と国際安全保障にとって最も重要な要因と強調した」とし「プーチン大統領は、最も広範囲な課題について米国と対話にオープンであると確認した」という。
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タス通信によると、ラブロフ外相は、2019年に新たな協議の場を設けるかどうかは米国次第との認識を示し「この問題は米国側が対処すべきだ。わが国の大統領らは、米国側の準備が整えば協議の用意があると表明している」と述べた。
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プーチン大統領は、中国の習近平国家主席、安倍晋三首相、メイ英首相など各国の首脳に書簡を送った。
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ロシアにとって、真の同盟国はない。中国、北朝鮮、中南米などと友好的であるが、完全なる同盟国でとは言えない。自由主義国に対抗する同盟国というだけの事だ。
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ロシアの国土は大きいが、ツンドラ地帯が多いが「今この地帯は、温暖化の影響で凍土が溶けはじめ建築構造物が影響を受け始め、このまま温暖化が進んだ場合、国土維持にも影響が出る。
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温暖化の影響は北極の氷が急速度で溶けはじめている。これを狙って中国は新航路の開拓を進め、北欧各国も北極海航路の開拓に進んでいる。北極の融解は「ロシアにとって軍事上の危機」をも意味する。氷で覆われていた北極海は通常の潜水艦では航行が難しく、原潜保有の米国を警戒していればよかったが、氷の融解で通常潜水艦でも浮上が可能になり、潜水艦ミサイル発射も可能になってきた。
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ロシアの国土は大きく防衛上の拠点も旧来とは異なる拠点に展開する必要がある。ロシアは、北極海の島嶼に軍事拠点の増強を図っている。極東に展開しつつあるのは北方4島にミサイル部隊など増強をはかり部隊員の宿舎も完成した。この増強の狙いは、日本、中国、米国を狙いとしたミサイル部隊だ。
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ロシアはマッハ27の超高速ミサイルの発射に成功し、新年度には配置を始めるという。超高速ミサイルに対抗するミサイルの開発には優に5年はかかると言われる。超高速ミサイルに対抗するのはレーザー砲であり、日本はようやく開発に着手するが、高出力砲を完成させるのに何年かかるのだろうか。
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いまのロシアは、北欧州、北東アジア、米国とミサイルに囲まれた状態となっている。打開策は、米国との協調しかない。新年のあいさつ書簡でトランプ大統領との「広範囲な課題」についてとあるのは、軍事的脅威の除去が中心であることは間違いない。
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北方領土2島返還の返却は、米露協議の内容次第であり、プーチンが米国の脅威が薄れたと感じるときに「日露交渉が進展」する。
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