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   2018.12.03.
   滋賀県・新生美術館断念:一体整備見直しへ!
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老朽化対策を施して再開!
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 建設工事の入札不調などで滋賀県が「凍結」していた新生美術館整備について、三日月大造知事は11月29日、仏教美術と近現代美術、アールブリュット(障害者らによる芸術)の「三つの美」を県立近代美術館(大津市)で一体的に展示する現行計画を断念することを明らかにした。自然に溶け込む回遊式の庭園美術館を打ち出した「SANAA(サナア)事務所」(東京都)の設計は事実上、破棄されることになった。
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 増改築する予定だった近代美術館(休館中)は、老朽化対策のみを施し、
20121年度の再オープンを目指す。琵琶湖文化館(休館中)から移設予定だった仏教美術は別の場所での収蔵、展示も含めて再検討する。
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 三日月知事は11月29日の県議会11月定例会議で「まずは近代美術館の老朽化対策を先行する。併せて整備計画を見直す中で、美術館と琵琶湖文化館の機能継承の検討を行う」と述べた。
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 方針転換に至った理由として、三日月知事は館長が決まらずプロジェクトの推進体制を整えられなかった点や、整備費が上限の47億円を超え、度重なる設計変更案にも県民の理解を得られなかった点を挙げた。
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 県は近代美術館の再開に向け、来年度から2年間で約14億5千万円をかけて展示室の改装や空調設備の更新を行う方針。
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 08年から休館中の琵琶湖文化館に収蔵する仏教美術については専門家による委員会を設置し、展示や収蔵の在り方を検討する。
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 三日月知事は記者団に「(三つの美を)一カ所で表現することはこの時点では断念する。大きな滋賀で表現するという構想自体は持ちながら進めたい」と述べた。
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 新生美術館を巡っては、建設資材の高騰などで17年8月の工事入札が不調となった。県はその後、計画の見直しを重ねてきたが47億円には収まらず、7月に計画「凍結」を打ち出していた。
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