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   2018.11.02.
   AI・犯罪予測システム:米50以上の警察・導入!
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功罪相半ばと見る向きも!
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テロ対策には有効!
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  テロや犯罪対策とし人口知能を使用した犯罪予測システムが米国50以上の警察で導入されている。公けになってはいないが、過去の犯罪を分析し、犯罪発生の危険が高い地域や犯罪者の好む場所を予測できるため警官の配備を効率的に行え、実績も上げているという。一方で、人種問題や個人の自由を侵害する危険性も指摘されている。
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 10月29日付米国『フォーブス』は「警察での人口知能や顔認証システム使用における問題点」との見出しで以下のように報道している。
テロや犯罪防止目的でのAI配備投入は時間の問題だ。経費削減により、英国では治安悪化と引き換えに3年で警官7千人を削減、代わりに民間警備や警備監視装置強化が検討され始めた。他方米国では、既に治安を監視する予測警備システムが使用されている。
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 犯罪予測では、データを使い、犯罪の危険のある場所を「要注意地点」として地図上で示す。更に、暴動に関わる可能性のある人物を特定し点数評価する。このシステムの予測方法や警察の使用状況は、透明になっていないが、米国の35か所で使用されたとされる。
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 警察はイスラム過激組織や極右テロリストの脅威に追いついておらず、テロ対策にもこのシステムは有効。700のテロ捜査が進行中。英国には2.3万のジハーディストがいるとされる。
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 (横領などの)知能犯罪対策として、企業はソフトウェアを開発、経理犯罪者に「典型的」な顔を割り出していおり、機械が個人の犯罪性を評価できる。
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 テロにもこの方法が有効だとされるが、問題として多く懸念を抱くのが、イスラム教徒に見えることで人種差別がおきたり、捜査が阻害されることである。一方で、人は先入観で逮捕や起訴する心配があるが、AIによって偏見がなくなるという点も指摘されている。
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 同日付英国『BBC』は「何時どこで犯罪が起きるか予測可能なのか?」との見出しで以下のように報道している。
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 犯罪予測は長く待ち望まれてきた。大学が共同開発し、各市で導入されている犯罪予測システム「PredPol」は、犯罪予測率を10~50%向上させている。過去の犯罪の種類、場所、時間などのデータを蓄積し、社会経済データと結び付け、地震の余震予測に使うアルゴリズムで分析する。ソフトウェアは特定の犯罪の起きる場所と時間を12時間後まで予測、新しいデータによりアルゴリズムは毎日更新されるという。
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 色のついたコードで予測が示される、46㎡の地点 赤のボックスは「高危険度」 を示し、警備時間の10% をそこに配置することで2倍の予測効果を発揮しているという。
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 一方、機械は人間以上の能力でデータを分析できるが、犯罪データを高度処理しデータに基づく決定をおこすのは何も新しい事ではない、疑似科学だと批評する人もいる。多くの治安当局では、以前から、過去の犯罪の記録から高危険地域を分析し、警官を当該地域に集中配備してきたのである。
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 しかし、これらは過去の分析であり、明日の犯罪の「予測」とは違うのである。
AIや機械分析ではこれまでに気づかなかった点も分かってきたという。過去の分析では、「危険がある」場所と長期間犯罪が多発した場所を区別できない。犯罪者にとり魅力的な人気のない駐車場、混雑したショッピング街、身近に起きた事件により犯罪の可能性が一時的に上昇した場所などでも機械予測では可能となる。
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 全米50以上の警察署と、英国の数か所で犯罪予測システムが使用されており、英国ケント警察では、4か月の試用期間で、地域犯罪が6%減少したとの実績がある。
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 一方、ロス警察は市民権団体から市民の自由侵害で批判を受けるなど、人種等の偏見への懸念もある。警察暴動や知能犯罪に使われる危険性も指摘される。市民は権力者によりこの技術が誤用されないか、犯罪減少と引き換えに、市民の自由を侵害する可能性がないか、監視する必要がある。
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