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広域協組と連帯・全面的な経済戦争に突入!
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連帯ユニオン・2010年の中途半端な勝ち戦!
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第三幕は、新たな対決となった。それは全面的な組織対組織の経済戦争ともいえる。
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第二幕は、2010年11月17日の連帯側のスト解除で、大筋要求が通ったものと見て勝利宣言をし、戦後処理として細目協議に入ったが、敗戦したはずのセメントメーカー、商社、ゼネコン、メーカー系生コン工場、大阪広域協組は交渉において、連帯側の要求をのまず、細目で不一致が続き時間が経過するばかりで、連帯に取っては計算外であったろう。広域協組にとっても、値上げは望むことではあるが市況低迷した時期に商社・ゼネコンからの発注数量が大きいことは背に腹は代えられない面もある。
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広域協組にとって生コン生産と販売価格の逆ザヤ現象の解消は必要なことである。値上げを含んだ広域協組と連帯との大同団結は、戦略的にも必要な事であった。
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2015年1月、連帯と広域協組は大同団結し、連帯に対し環境整備基金として1m3当たり100円を拠出するという契約がなされた。連帯ユニオンにとっても、安定的資金が確保できたことは、無上の喜びであったろう。
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広域協組や連帯ユニオンの動きは、連帯系の機関紙などで色々書かれている(2016~2017年の間)が、セメントメーカーは2011~2014年には生コン価格下落と過当競争が激しく、大阪周辺への影響も大きくなっていた。そのような時期の広域協組・連帯ユニオンの大同団結は、今後、連帯にとって有利に運ぶのかと思われていたが、事実は逆行し、相変わらずの競争であった。手を打てない連帯側は、京都、滋賀に力を入れ、京都府では京都協組と新スタートした京都中央コンクリート協組は新価格でスタートしている。
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奈良県は南部協組が加入し奈良県中央コンクリート協組と改称。8社で9月1日からスタート。問題は和歌山県境の十津川地区を含めたマテリアル協組が発足し、三つ巴となりそうな気配が出てきていた。
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連帯に取って、京都のアウトを纏め連帯系の京都中央生コン協組が出来、支配力を強めている。それは、和歌山県生コンクリート協組連合会が、和歌山方式として各地区で同じ連合会組織を結成することで、連帯労組執行部が連合会の中枢に入り込み関生支部から連合会を通じ指揮命令し、各組合は連合会を経由して組合費や組織運営費、賦課金を納め、連帯関西支部に上納する管制システムを取るのが究極の目的である。
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連帯としては、大阪広域が収める環境整備基金は同じ扱いとみて、徐々に輸送費や圧送費を認めさせようとしていたが、なかなか連帯の思惑通りになびいてくれないのが大阪広域協組なのである。
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一方、広域協組は着々と対連帯の組織弱体を狙い、他府県への越境販売を行っている加盟社などの行動は野放しであった。その境目は、2016年5月末に開いた広域協組の通常総会で新役員が選出された。直後の理事会で木村貴洋理事長は重任。6月28日の理事会で副理事長に岡本真二、地神秀治、矢倉完治、岸田治夫各氏を選任、組織体制は理事長、副理事長、専務理事の三役で組合運営のかじ取りをする「執行本部会議」を構成。6月1日から全社参加で共販事業を開始し、成果として16年度の生コン出荷量は前年比2.3倍の520万m3となる見通し。
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広域協組の組織固めと連帯の組織弱体対策は、和歌山県の組織分断につながってゆく。
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関西生コン労組連合会は、2017年12月12日、大阪府管内の生コン製造企業各社に向け、表記のような生コン車運賃改定とセメントバラ運賃適正価格収受を訴え、一斉にストライキに入ると関係方面に通告した。
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ここ数年生コン販売価格の是正等は堅調だが、周辺下請け企業が求めている生コン輸送運賃とバラセメント運賃に関し、特に大阪府下では1円の上昇もない。著しく産業的公平を欠く現状に対して、要求貫徹への意志を表明している。しかし、12月12日から打ち出した全面ストライキだが、18日に決着を見た。
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ストの理由は、建設・生コン関連業界に従事するすべての労働者・中小企業の社会的・経済的地位向上を目指すというものである。2015年1月の大同団結で大阪地区では、15800円の値上げがほぼ実現された。これは、以前に比べると5000円以上の値上げであるが、生コン価格の引き上げによって得た利益は、生コン輸送業者やバラセメント輸送業者、ダンプ運送業者など生コン関連の下請け業者にも還元することが前提で、労使が約束してきた事だった。
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全港湾大阪支部と連帯労組関生支部は、12日よりバラセメント輸送拠点である セメントSS(宇部三菱セメント)前や、生コン輸送出荷での関係プラントなどでの現場アピール行動を展開。合わせて多くの労働者への理解啓蒙にも注力する中で、下記各項目での要求が大きく前進したとして、18日にストライキを解除を声明、大きな成果が確認出来たとしている。(これを原因として、9月18日大阪府警は威力業務妨害容疑などで実行犯16人を逮捕した)
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広域協執行部は「生コン輸送運賃を55000円に引き上げる」と明言していたのに、いまだ生コン輸送運賃を引き上げようとしていません。また、バラセメント輸送やダンプ輸送の運賃についても同様な対応を取っています。と嘆く。
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しかし、大阪広域協組は協議に入るが、実行する気配もなく。2015年1月に取り決めた環境整備基金の拠出を2017年10月で打ち切った。
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これで、広域協組の対連帯への態度は明確になり、連帯と広域協組の経済戦争は終局へと流れてゆく。
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この経済戦争は、「力は智なりと言う大阪広域協組と闘争は数と武である」という思考の違いが、明確に出てきたのではないか。
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つづく
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