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米の制裁再発動控え抗議デモ続発!
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イラン・中国頼りも…!
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米国の制裁再発動が目前に迫り、イランでは連日、経済低迷に抗議するデモが起きている。通貨下落に拍車がかかり、最高指導者ハメネイ師を「独裁者」と非難するなど体制批判も高まっている。ロウハニ政権は、イラン核合意の維持を主張する中国などを頼りに苦境を乗り切りたい構えだが、特効薬は見当たらず、米国がイラン産原油の取引を禁じる11月に向け、風当たりはさらに強まりそうだ。
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イランでは8月1日前後から、首都テヘランや中部イスファハンなどで数百人規模のデモが起き、治安部隊が催涙ガスなどで鎮圧する場面もあったもようだ。デモ隊は「シリアから去って私たちに顔を向けろ」などのスローガンを連呼し、国外の紛争に投じている資金を国内に回すよう求めている。米政権が主張する「中東地域への影響力拡大の停止」をイラン国民も要求している格好だ。
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2日付の米紙ニューヨーク・タイムズによると、通貨リアルは昨年、80%も価値が下がり、ここ数日でさらに約20%下落。イラン国会は1日までに、ロウハニ大統領に対し、1カ月後に経済政策に関する質問に答えるよう求めた。反米の強硬保守派が勢いを増し、「ロウハニ師はレームダック(死に体)だ」との評価も聞かれる。
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トランプ氏がイラン側と会談する用意があると表明した後も、イラン側では「提案に何ら価値はない」といった反発が相次いだ。
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さらに、外交・安全保障で最終決定権を持つハメネイ師は「反米」を打ち出すことで国内を引き締めてきただけに、ロウハニ師に米国との会談に応じさせれば、「弱腰」だとの印象を持たれる恐れがある。まして制裁解除と引き換えにミサイル開発などの放棄を迫られるようなら、求心力の低下にもつながりかねない。
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欧州企業がイランとの取引継続に後ろ向きの姿勢を示す中、中国の王毅外相は3日、シンガポールでイランのザリフ外相と会談し、核合意の維持に取り組む姿勢を改めて示した。両国の年間貿易額は350億ドル(約3兆9千億円)に達するといわれ、中国はイラン経済に不可欠の存在だ。
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ただ、イラン情勢に詳しいエジプト人ジャーナリスト、アブヌール氏(34)は電話取材に、「米国の経済規模はイランに比べて格段に大きく、(中国は)対米関係により強い関心を持っている」とし、中国が米国の意に反してまで、イランとの原油取引などを維持するかは疑問だとの見方を示した。
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アメリカのトランプ大統領はイランの核開発を大きく制限する核合意からの離脱に伴い、解除していた制裁の一部を8月7日から再開する大統領令に署名した。
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トランプ大統領が署名した大統領令では、イラン政府によるアメリカドルの入手やイランの自動車産業との取引が禁止されます。トランプ政権は、これまでイランが核合意で得た資金でミサイル開発やテロ組織への支援をしていると批判してきて、5月に核合意からの離脱を発表しました。今回、発動しなかった石油に関連した制裁は11月に再開する予定。トランプ政権は日本など同盟国にもイランからの原油の輸入停止を求めていて、アメリカの政府高官は「目標はイランの石油の輸入をゼロにすることだ」と話しています。また、トランプ大統領は声明を出し、「弾道ミサイル計画などを含めたより包括的な合意には前向きだ」とアメリカが主張する形での合意を促した。
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トランプ政権は今年5月、イランが核開発の制限に応じる代わりに、欧米諸国などが経済制裁を解除する「イラン核合意」から離脱した。これに伴い、まずは日本時間7日午後1時1分にイランによるドルの購入や貴金属・石炭の取引の禁止など一部の制裁を再発動し、11月には石油・エネルギーや金融分野への制裁も復活させる方針。
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トランプ政権はイランに弾道ミサイルの開発中止などを求めており、経済的圧力を強めることで譲歩を迫る狙いがある。
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一方、イランのロウハニ大統領は6日、「アメリカは後悔する」と述べた。また、トランプ大統領が首脳会談に応じる考えを示したことについて、「制裁しながら交渉するのは意味がわからない」などと述べ、会談しない考えを示した。
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