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中国は預金準備率0.5%引き下げ!
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米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは6月24日、トランプ米政権が中国への技術流出を防ぐため、中国資本が25%以上入る企業を対象に「産業上の重要技術」を持つ米企業の買収を禁じる投資規制の強化案を検討していると報じた。週内に発表する見通し。
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トランプ大統領は5月、中国企業を対象にした新たな投資制限・輸出規制案を6月30日までに報告するよう財務省に指示していた。同紙によると、買収禁止規制の対象となる中国資本の出資比率は25%より低くなる可能性もある。
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トランプ政権は、中国が次世代技術での主導権奪取を狙う国家戦略「中国製造2025」を敵視しており、買収を禁じる「重要技術」はハイテク分野が中心となりそうだ。ただ、すでに投資済みの案件は規制対象にならない見通しという。
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中国による投資への規制強化は、鉄鋼・アルミニウム製品の輸入制限と同様、「国家安全保障上の脅威」が理由だが、今回は2001年の米同時多発テロ以降に多用された国際非常時経済権限法の活用が検討されている。
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トランプ政権は、中国による知的財産権侵害を理由にした制裁関税も7月6日に発動する方針。中国政府は直ちに報復措置を実施すると発表している。これに加えて、投資制限案が公表されれば、米中の緊張が一段と高まるのは必至だ。
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中国人民銀行(中央銀行)は6月24日、金融機関から強制的に預かる預金の比率を示す「預金準備率」を7月5日から0.5%引き下げると発表した。米国との貿易摩擦が深刻化する中、景気を下支えする狙いとみられる。
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準備率の引き下げは今年4月以来。金融機関は手元資金が厚くなり、貸し出しに回せるお金が増える。今回の措置で市中に約7000億元(約12兆円)が放出される見通し。人民銀は2000億元を小規模・零細企業融資に、5000億元を企業債務の株式化のために使うよう各金融機関に求めた。
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今回の預金準備率引き下げは貸し出し対象を限定した措置で、本格的な金融緩和には当たらない。人民銀も「(従来の)金融政策をしっかり実施していく」と基本方針に変わりはないと強調するが、市場では「米国との貿易戦争を念頭に、人民銀が景気重視にかじを切った」(アナリスト)との見方も強い。
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米国政府は7月6日に対中制裁措置を発動し、中国政府も同日報復措置に踏み切る方針を示している。預金準備率の引き下げはその前日に設定され、国内経済の動揺を抑え込みたい思いがにじむ。
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中国の直近の経済指標は弱含んで推移しており、国内外に不安要因を抱える状況。人民銀は投機抑制などを念頭に金融緩和に慎重な姿勢を示してきた。だが、対米経済摩擦も逆風となり、中国経済の鈍化が鮮明になれば、金融政策を緩和方向へ転換する可能性もある
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