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勝てる戦を落とした野党!
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小泉元総理が唱えた反原発!
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選挙民は「もういい加減にしたら」と人物本位に!
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野党統一候補が当選かと思わせていた6月10日投開票の新潟県知事選。自公両党が支持する前海上保安庁次長の花角英世と五野党一会派の統一候補、元新潟県議の池田千賀子による事実上の一騎打ち。勝敗は今後の政権運営や9月の自民党総裁選にも影響を与えるとされ、2019年春の統一地方選、続く夏の参院選の試金石でもあると注目されていた。
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5月24日の告示日直前まで自公の間はぎくしゃくし続けた。5月上旬、自民党新潟県連幹事長の柄沢正三が最近の国政選挙での公明党の支援が不十分だと不満を示したのに対し、公明党の支持母体・創価学会の副会長で信越方面の実力者、金子重郎らが反発し、自主投票の方向となった。約9万とされる公明票の帰趨は勝敗を左右しかねない。慌てた自民党は二階ら幹部が柄沢を叱り、菅も学会本部の選挙担当副会長・佐藤浩に「助けてほしい。地元にはちゃんと言っておきます」と支援を依頼し、何とか与党の足並みをそろえた。
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与党が総力戦をスタート直前の、23日には原発ゼロを訴える元首相・小泉純一郎が新潟県魚沼市で講演。「選挙の時がきたら、原発推進論者などは絶対に当選させない」と強調した。講演後、池田について「よく頑張っている」とエールを送り、握手するシーンもマスコミに撮らせた。自民党の筆頭副幹事長の小泉進次郎が「親子対決などと面白おかしく取り上げられる」と応援演説に難色を示した。自民党幹部は「彼は知事選に負け、安倍政権が弱体化すればいいと思っているのではないか」と疑心暗鬼だ。
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党内では12年の総裁選で石破に投票したと明言する進次郎が、「安倍嫌い」なのは永田町の常識だ。石破は「日本の将来を背負う人だ。安倍さん以降小泉さんまでの間をどうつないでいくかを真剣に考えなければいけない」と公言し秋波を送る。
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安倍は総理・総裁の強みを生かし、総裁選への布石に余念がない。今後、夏にかけて各都道府県で開かれる自民党県連大会に向けたビデオメッセージを収録。26日には総裁選出馬の意欲を隠さない総務相・野田聖子のお膝元・岐阜県連大会でもメッセージを流した。前日に野田が県連に問い合わせるまで秘密にしておく念の入れようだった。
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官邸は、総裁選の障壁となりそうな首相経験者らの動きにも細かく目を配る。小泉純一郎の発言を取り寄せて細かくチェックするだけでなく、公文書管理への思い入れが強く、安倍政権の在り方に批判的な元首相・福田康夫や、康夫の長男で防衛政務官の福田達夫の動向チェックも怠らない。達夫は安倍の出身派閥に属しているが、進次郎と行動を共にすることも多いからだ。
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野党は「安倍政権への審判」と位置づけ、国会での攻勢を知事選につなげる戦略だ。会期末までに、経済再生担当相・茂木敏充、厚労相・加藤勝信の不信任決議案、衆院厚労委員長・高鳥修一の解任決議案などを連発するのも「与党の強行姿勢を浮き彫りにする」(野党幹部)狙いからだ。
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新生竹下派の領袖となったキーマン・総務会長の竹下亘は「総裁選で、間違いなく安倍さんが引き続きなるかというと『はい、その通りです』とはなかなか返事をしかねる」と喝破する。その言葉の裏は、どっちつかずに居ることで、土壇場で安倍指示を出すことで高く売れると考えている節がある。
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自民党各派や野党の思惑の中で動いてきた新潟知事選。野党が取るのか、自民・公明が取るのか、何時の選挙でも自民党の選挙調査が出ていた。
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A4版4枚の「新潟自民党調査 5/26-27サンプル数2018件」と題されたものだ。自民党新潟県連が独自に実施した世論調査ととれるが、同党本部が県連の協力を得て民間の調査会社に委託したものではないか。
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支持率変化を記載している同データによると、支持率は花角候補:41.2% → 43.3% → 44.0%、池田候補:38.2% → 38.1%→
39.1%で、両候補は共に微増ながら支持率を伸ばしている。
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永田町周辺で国民民主党が同日に実施した世論調査の「結果」なるものが流布されている。「池田(千賀子候補)43.9(%)、花角(英世候補)33.7(%)」という数字が記されている。両候補の差が10.2ポイントと余りにも大きいので、自民、公明党サイドが危機感を煽り、花角氏選対の引き締めのために流した可能性が指摘されている。
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新潟県知事選が注目されるのは、野党5党が「原発再稼働反対」を前面に押し出した選挙戦を行っていることと、知事選の結果が9月の自民党総裁選で「安倍3選」の成否に大きな影響を与えるからだ。二階俊博自民党幹事長の運輸相時代の秘書官を務めた花角氏が敗北したなら、党内から二階執行部批判が噴出し、加えて、来年4月の統一地方選と7月の参院選を念頭に「安倍の顔では選挙ができない」といった声が上がり「安倍3選」に黄信号が灯りかねない。
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今週半ばになって安倍官邸側から「知事選は所詮地方選挙である。永田町でも「安倍3選」は揺るがないと見ている。
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新潟知事選では、自民・公明の候補が予想以上に健闘し当選した。野党は、安倍批判票がそれなりに示せたと言うが、野党の国会戦略が飽きられたのも一因だ。
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