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   2018.02.16.
   ゼネラルモーターズ:転んでもタダでは起きない商法!
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赤字でも成果給は韓国が始めて!
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 韓国GMが群山工場閉鎖を決めたのは、根本的にゼネラルモーターズ(GM)が他国で運営する工場に比べて生産性が低いからだ。「韓国での事業成果を改善するために緊急措置を取った」というバリー・アングルGM総括副社長兼GMインターナショナル社長の発言も同じ脈絡だ。
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しかし生産性を高める努力を履行せず工場閉鎖から決めたという点で批判の声が出ている。群山工場を閉鎖するまでGM経営陣は生産性を上げようとする経営措置をほとんど取らなかった。韓国GMの売上高に対するコスト比率は2009年から90%を超えている。例えば自動車を3000万ウォン(約300万円)で販売する場合、コストは2700万ウォンということだ。
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 GM経営陣はこのように収益を出せない構造を10年間放置した。累積赤字は2兆ウォンを超え、「経営陣無能論」が出た背景だ。これは釜山で自動車生産工場を運営するルノーサムスンの経営と対照的だ。2012年に15万台だったルノーサムスン車の販売台数は2012年に3分の1(5万9000台)に減少した。韓国GMの経営陣が手放し状態であるのに対し、危機が迫るとルノー自動車グループは釜山工場に1700億ウォンの緊急資金を投入した。また、系列会社である日産自動車の準中型SUV「ローグ」を釜山工場で生産することにした。「部品国産化政策」など経営革新策も功を奏した。ルノーサムスン車は2017年27万6808台を販売し、過去最多輸出記録(17万6271台)を更新した。
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 GMが「群山工場閉鎖は経営改善努力の一環」と発表した点も論議を呼んだ。コスト削減や収益性強化などではないからだ。現在の時点で工場を閉鎖したのが適切な措置だったかも疑問だ。韓国GMの労使は7日、2018年賃金および団体交渉を始めた。労使が人件費削減など費用を減らす案を見いだして生産効率性を高める方法を議論する席だ。コスト削減努力についてはまだ議論さえもしていなかったということだ。
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 両社の労働組合の態度も違う。韓国GM労組は2兆ウォンの赤字が累積した昨年も過度な賃金・成果給を要求した。危機状況でも昨年、賃金交渉に231日を浪費し、1月9日にようやく交渉を終えた。韓国GMは「昨年、世界GM事業場のうち赤字を出しながら成果給を支給したのは韓国が唯一」と話した。一方、ルノーサムスン車は昨年まで3年連続でストライキなく賃金交渉を終えた。
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 米ゼネラルモーターズ(GM)が韓国GM群山工場閉鎖の決定を韓国政府に伝えたのは2月12日の夜遅くだった。GM本社関係者が産業通商資源部に電話をかけて、 「あす午前に工場閉鎖を発表する」と一方的に通知したのだ。
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 産業通商資源部実務陣の報告を受けた白雲揆長官は非常に激高したという。白長官はこの日午前、韓経ミレニアムフォーラムに出席し、最近GMと接触した事実を公開し「GMが中長期的な経営改善計画と投資計画を先に提示してこそ韓国政府は協議できる」という立場を明らかにした。この発言が出てから半日でGMが「強攻」に出ると、韓国政府のある関係者は「後から殴られた気分だ…」と露骨に非難した。
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 韓国政府は13日午前、関連官庁の次官を呼んで緊急会議をした。企画財政部の高ヒョン権第1次官、産業通商資源部の李仁浩次官、金融委員会の孫炳斗事務局長らが出席した。ある出席者は「会議中GMに対する糾弾が続いた。GMが6月の地方選挙を控え地域経済を担保に韓国政府を圧迫している」と話した。
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 韓国政府は会議を終え「GM側の一方的な群山工場閉鎖決定に深刻な遺憾を表す」とした。続けて「経営状況を明確に把握するため客観的で透明な調査ができるよう産業銀行がGM側と協議していく予定」と明らかにした。産業通商資源部関係者は「産業銀行の韓国GMに対する調査が優先的に行われてこそ支援の可否を決められる。韓国政府がどのような方式の支援をするかも調査が終わってから知ることができる」と話した。金融委員会関係者は「GMも産業銀行が調査をすることに同意した」と説明した。
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 一部ではGMの要請があってから1カ月近く何の措置もしなかった韓国政府が問題を拡大したという指摘もある。
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 GMが韓国GMを買収して以降、9252億ウォンを投資し、少なくとも3兆ウォン(約3000億円)を回収したことが分かった。2月13日に群山工場の閉鎖を発表したGMの立場では、今すぐに韓国市場から撤収しても損はないという計算が出てくる背景だ。
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 韓国GM監査報告書を分析した結果、GMは2002年に大宇自動車を買収して4億ドル(4340億ウォン)を投資し、2009年に流動性危機を迎えると有償増資を通じて4912億ウォンを追加で投資した。GMが韓国GMに投資した主要項目( 9252億ウォン)はまだ1兆ウォンに達していないということだ。
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 逆に、韓国GMがGM本社に支払った金額は確認されたものだけで2兆ウォンを超える。本社の貸出金2兆4000億ウォン(2016年基準)に対する利子として2013年から2016年まで4620億ウォンを支払った。
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 2012年以降、GMは本社が開発した車種を韓国で販売する場合、この金額に対する研究開発(R&D)費用を韓国に請求している。2014年以降に韓国GMが支払ったR&D費用は1兆8580億ウォン。結局、GM本社が韓国GMに投資した金額(9252億ウォン)を差し引いても1兆4000億ウォン以上は回収したという
分析が可能だ。
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 加えて韓国GMには売上高の5%を本社にロイヤリティーとして支払う規定が存在していた。産業銀行がロイヤリティー支払いに問題を提起した後、GMは該当規定を削除したが、2010年までGMは韓国GMにロイヤリティーを請求した。韓国GMがロイヤリティー名目で本社に送金した金額は明らかにしていない。ただ、2002-2010年の累積売上高が83兆ウォンである点を勘案すると、規定金額(5%)の半分だけが本社に渡ったとしてもGMは韓国GMから2兆ウォン以上を受けたと推定できる。GM本社が韓国GMを運営しながら受けた金額は3兆5000億ウォン前後という見方が出ている背景だ。
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 このほか、GMは韓国GMが車を生産する過程で必要な材料・部品を高く売り、逆に韓国GMが他国に輸出する自動車は安く供給することで差額を得たという疑惑もある。実際、韓国GMの売上高に対するコスト比率は2009年から90%を超えている。自動車を3000万ウォンで売る場合、コストが2700万ウォンを占めるということだ。これは韓国国内の自動車企業(平均80%前後)に比べて10%以上高い数値。GMが政府に有償増資など資金支援を要請したことに否定的な世論が形成された理由だ。
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 GM本社が過度に投資金を回収したという主張について、韓国GMは「マリブなど韓国で販売した車を開発する過程で米国本社が投入した開発費用に対して正当に支払った金額であり、むやみに本社に移転したものではない」と主張した。韓国GMは13日、経営難が深刻だという理由で群山工場を5月末までに閉鎖し、2000人の人員削減をすると発表した。
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