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対北“最前線”舞鶴の〝防人〟!
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核ミサイル開発を進める北朝鮮の脅威に対し、近畿地方では“最前線”として対峙するのが京都府舞鶴市だ。海上自衛隊舞鶴地方隊や第8管区海上保安本部を有する「日本海の要」。先月行われた海自舞鶴地方総監の交代時にも緊張感をうかがわせる言葉があった。
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「『日本海波高し』の状態で、3隻の(米軍)空母が入った状態もあり、緊張した。BMD(ミサイル防衛)の警戒艦艇には、人や装備の面で信頼できる支援を実施した」。12月20日付で舞鶴地方総監から佐世保地方総監に異動した菊地聡海将(56)の離任時の言葉だ。
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新たに舞鶴地方総監となった中尾剛久海将(54)も「北朝鮮情勢で、安全保障の確立は厳しい状況にある。その対応が一番の任務。緊張感を持って臨みたい」と話した。
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同総監部は舞鶴地方隊の後方支援を担っており、同地方隊には日本海を防衛する第3護衛隊群が配属されている。舞鶴はイージスシステムを搭載する護衛艦「みょうこう」「あたご」の母港でもある。
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とくに護衛艦「みょうこう」(全長161m、7250トン)はイージスシステムによる探知能力が高い。平成10年8月に北朝鮮が発射したミサイル「テポドン」を高性能レーダーで探知。その情報分析力が注目されたという。11年には能登半島沖に現れた不審船の追跡も担当した。
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1月末までドッグ入りしているが、他のイージス艦と交代で、日本海で北朝鮮の弾道ミサイル発射の兆候を監視。レーダーや通信機器を駆使して「わずかな変化にも目をこらし続けている」(海自関係者)。事実、発射の兆候を確実に捕捉しているという。
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舞鶴を母港とする補給艦「ましゅう」(全長221m、1万3500トン)は最大級の補給艦で、日本海に展開する日米の艦への補給を担っているとみられる。
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「個別の艦艇の運営はお答えできません」と同地方総監部はいうが、現在、各艦が最前線に臨んでいることがうかがえる。
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一方、第8管区海上保安部は非常時に海上に現れた難民への対応を担う。
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28年11月には舞鶴市に漂着した木造船から9人の遺体が発見され、今月7日も京丹後市網野町の海岸に木造船が漂着。いずれも北朝鮮の漁船とみられ、海流の状況にもよるが、有事の際は朝鮮半島からの難民が海上に現れる可能性は高いとみられている。
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8管本部は「本庁の指示で適切に対応する」とするが、有事のシミュレーションの有無については回答していない。武装難民への対応などでは、海上警備行動の発令で自衛隊が対処する可能性が高い。同本部幹部は「その事態まで日常の業務の延長として、通常の態勢で対応するしかない」と話している。
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