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   2018.01.09.
   リニア談合:業務屋でなくとも談合は出来る!
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違法性認識に4社で差! 
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地検特捜部・捜査態勢を拡充へ!
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 リニア中央新幹線建設工事をめぐるゼネコン大手4社による談合事件は、東京地検特捜部の最初の強制捜査から1月8日で1カ月。大林組が公正取引委員会に談合を認める一方、強く否定する社もあり、4社間で違法性の認識に温度差があることが浮かび上がった。大林組、大成建設、鹿島建設、清水建設の4社間で認識に差が出ていることから、特捜部は週明け以降、他の地検から応援検事を得て捜査態勢を拡充する方針とみられる。
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 「1社でも公取委に違反を申告したら、たいていは総崩れになるものだ」。検察幹部の一人はこう指摘する。最初に強制捜査を受けた大林組がいち早く、独占禁止法の課徴金減免制度(リーニエンシー)に基づき、公取委に不正な受注調整を申告しているためだ。
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 現在、鹿島と大成は、特捜部の調べに、会合などで情報交換した事実は認める一方、不正な受注調整は強く否定しているとされる。
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 別の検察幹部は「1社がリーニエンシーすると恭順組と否定組に分かれることが多いが、1社でも認めていれば(立件は)できるだろう」と話す。
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 発注元のJR東海は「安全を確保した上で競争原理を働かせつつ、工事費全般のコストダウンを図るよう努めてきた」と説明するが、関係者によると、JR東海が提示した総工費は大手ゼネコン側にとって圧縮された厳しい金額だったという。
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 JR東海の元リニア担当幹部(故人)が大成の元幹部に工事に関する情報を伝達。この元幹部が窓口役となって、大林組、鹿島、清水の3社に伝え、各社の利益確保を目的に受注調整を図っていた疑いがある。
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 O、T、K、S。特捜部が大林組関係者から入手した資料には大林組、大成、鹿島、清水を指すとみられるイニシャルと工事名が記されていた。リニア関連工事に受注企業を割り振ったとされる受注予定表も入手しているという。
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 特捜部や公取委は受注調整を裏付ける重要な物証とみているもようだが、大成関係者は「受注予定表の通りに(受注企業が)なっていない工事も複数ある。受注調整になっていないのではないか」と疑問視する。
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 実際、今回の談合事件では一部で受注調整がうまくいかず、「本命」ではなかったゼネコンが受注するといったほころびも生じていたとみられている。
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 例えばリニア名古屋駅新設工事は大成の共同企業体(JV)が受注する予定だったとされるが、JR東海側の意向で大林組JVが逆転受注した可能性がある。
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 関係者によると、特捜部はこの名古屋駅新設工事に加え、品川駅新設工事の受注経緯について集中的に捜査しているもようだ。
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 今後、本格化する捜査について、特捜部経験のある弁護士は「民間発注の談合事件は立件ハードルが高い」とみる。「自治体などが発注する公共工事では、入札方式が法や規則で明確に決まっているため、競争制限しやすく、比較的立件もしやすいが、民間発注の場合は、受注側との間で入札方式などを容易に変更できるため、競争制限しにくい。このため過去に摘発事例も少ない」と指摘する。
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 リニア建設には約3兆円の財政投融資も投入されており、民間発注の事業ながら巨額の公的資金が入っていることも特捜部と公取委は重視している。だが、JR東海のある幹部は「再発防止は一生懸命やるが、何が悪いと言われているのか分からない」と吐露する。
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 リニア関連工事では未契約の工事も多く、捜査が長引けば、工期への影響もありそうだ。
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 リニア談合事件で、大手4社のうち大林組(東京都港区)、鹿島(同)、大成建設(新宿区)の3社が先に受注調整を行い、最後に清水建設(中央区)が加わったとみられることが明らかになった。4社の協議に「仕切り役」はいなかったという。東京地検特捜部などは、幹部クラスが対等な立場で受注調整を進めた可能性があるとみて、実態解明を進めている模様だ。
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 リニア事業は、JR東海が15年3月から工事の受注希望業者の公募を始め、JR側と業者の間でこれまでに24工事の契約が結ばれている。計画が進む早い段階から大林組、鹿島、大成建設の幹部らが受注調整を進め、最後に清水建設の合意を得たという。関与したのは、大林組の副社長や大成建設の元常務執行役員らいずれも幹部レベルとみられ、とりまとめ役はいなかったとされる。
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 特捜部などの任意の事情聴取に対し、大林組の社員は「清水(建設)とは最後に話をつけた」と話しているという。また、受注調整に関わったとみられる清水建設の元専務は、24工事の一部について「他社の幹部と情報交換はした」と説明している模様だ。ただ、各社の間で受注予定社を事前に決める不正な談合ではないとの認識も示しているという。
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 一部の工事では、あらかじめ決められた受注予定業者とは別の業者が最終的に工事を受注したケースもあったとされる。4社間の受注調整に、どの程度の拘束力があったかが今後の捜査の焦点となりそうだ。今回は、工事が行われるリニア中央新幹線ルートが広範囲なこともあり、本社の幹部を含むレベルで受注調整が図られた可能性がある。
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  東京地検特捜部と公正取引委員会は、大手ゼネコン4社による受注調整が早くから進められた結果、「本命」を変更したとみて、追及している模様だ。
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 特捜部などは年度内に独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で立件することを視野に捜査を進めるとみられる。
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 受注調整の疑いが持たれている4社は大林組(東京都港区)、鹿島(同)、大成建設(新宿区)、清水建設(中央区)。関係者によると、新たに存在が判明したのは11年後半に作成された文書で、その後も更新されていったという。国交省は11年5月、整備計画を決定。文書が作成された11年後半はその直後にあたり、JR東海が駅など具体的な工事計画を示す前だった。
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 当時非公表だった工区が11年後半の文書に記載されていることについて、あるゼネコン関係者は「11年後半のもの(文書)はJR側が作成したのではないか」と推測。「文書は少なくとも2種類あり、後に更新された文書と比べると、いくつかの受注予定社が変更されている」とも証言。特捜部などは、4社が受注調整を進め「本命」を決めていったため、JR側の当初の意向と異なる結果が生じたとみて4社の幹部に経緯を追及しているとみられる。
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 談合の本業がいなくなり、民間工事を含め、ゼネコン冬の時代が長くなり、談合の体質そのものが小規模化し、ゼネコン各社も叩きから採算重視に転換し、工事も東京一極体制となって各社地方から東京へ社員を集中させた結果、地方を含めた談合そのものが消滅したような状態であった。
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 談合的要素と言えば、東北大震災における復興工事と東北新幹線融雪設備工事や高速道路舗装工事などの談合程度である。
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 談合を本格的にしようとするなら、それなりの人材と人数が必要だが、リニアはトンネル工事の連続だ。施工業者はJV主体であり、JVの代表者はスーパーゼネコンとなり、通過地域の工事で地元ゼネコンとトンネル工事実績のある中堅ゼネコンが組んでも、スーパー並みの施工が出来るかとJR東海は見るだろう。
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 今回のリニア談合は、JR東海が無関係では無いという側面も見えている。公取まで引っ張り出しての特捜捜査、官庁談合ほど立件は甘くはないだろう。しかし、このリニア談合、地方の情報漏えいから業者調整に入るパターンに良く似ている。
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 素人でもできる談合と言えるかも、、、。
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