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談合やめても・新しい芽は育つ!
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オリンピック関連施設や新国立競技場の入札で、談合の噂が飛び交っても地検の強制捜査はなかった。建設業界での各社建築部と土木部では、昔から仕事に対する思考はまるで別会社であることは周知の事実だ。
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過去、談合は建築部門、土木部門に限らず「業務担当」が東北、関東、東京、中部、関西、中国、九州のなかで網の目のように情報が張り巡らされていた。
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鹿島建設が言い出した「談合止めます」の言葉は空念仏でないように見えた。大手ゼネコン各社をはじめ中堅も業務担当は配置換えになり、多くは退職していった。
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業務担当が居なくなっても、営業は受注実績が会社に対する貢献度で出世に影響する。中堅どころの営業がスーパーを出しぬいて受注することは100%不可能だ。おのずと寄らば大樹のスーパーゼネコンの下に集まる。
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民間では談合は成立しないが、官庁工事は入札基準と予算が決められ、ネゴ交渉自体がない。叩き合いにならなければ利益確保は計算できる。
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リニア中央新幹線の工事入札で不正が行われた疑いがあるとして、東京地検特捜部は偽計業務妨害容疑で大手ゼネコン「大林組」の本社を捜索するなどして強制捜査に乗り出した。
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偽計業務妨害の疑いで家宅捜索を受けたのは、東京・港区にある大手ゼネコン「大林組」の本社など。
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リニア中央新幹線は、東京-大阪間を約1時間で結ぶ総工費約9兆円のプロジェクト。2027年に東京-名古屋間、2045年までに東京-大阪間の全線を開業する予定で建設が進められている。
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大林組はJR東海からリニア中央新幹線の複数の建設工事を受注しているが、この工事の入札をめぐって不正があった疑いが強まったとして、東京地検特捜部が関係先の家宅捜索を行い強制捜査に乗り出したもの。
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特捜部は関係する資料を押収したものとみられる。東京地検特捜部は巨大プロジェクトの建設工事に絡み不正が行われた疑いがあるとみて、大林組の幹部から任意で事情を聴くと共に押収した資料を分析し、実態の解明を進める。
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大林組は「特捜部の捜査には全面的に協力する」とコメント。
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JR各社が不採算路線の整理や事業多角化を迫られる中、JR東海はドル箱の東海道新幹線で高い利益率を誇る。16年3月期の運賃収入(単体)1兆2947億円のうち、9割超は新幹線で稼いだ。
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総建設費は約9兆円。JR東海は東京-名古屋間の39年の先行開業を目指して26年に着工した。
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大林組をめぐっては、18年~19年、和歌山県発注の公共工事や名古屋市発注の地下鉄工事をめぐる談合事件に関与したとして関係者が相次いで起訴されており、名古屋市の談合事件では、副社長ら取締役3人が引責辞任した。
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19年の大阪府枚方市の清掃工場建設をめぐる談合事件では、顧問や社員が逮捕され社長が引責辞任。当時、同社は「全社をあげてコンプライアンスの徹底に取り組み『新生大林組』への努力を続けている。一連の事態を重く受け止め、社会からの信頼回復に向けて新たなスタートを切ることにした」と説明していた。
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リニアの入札での談合が、大林組への強制捜査で突破口となるのか、工区に渡り行われていたのか、それぞれ地元に巣食う政治家が介在しているのか、特捜部の腰の入れ方が注目される。
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