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着底しても数日は生存する!
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バッテリーは新品でなく中古再生品だった!
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2017年11月15日、南大西洋を航行中であったアルゼンチン海軍の潜水艦「サン・フアン」が消息を絶った。原子力潜水艦を除く通常動力型潜水艦は航行中にバッテ
リーを使用するが、同艦にも搭載されていた鉛蓄電池はその原理上、可燃性水素ガスが発生するす(これは自動車の鉛蓄電池も同じ)。この水素ガスを原因とした爆発事故があったのではないかと推測されている。
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潜水艦はいくつもの区画で区切られているので、浸水しなかった区画については数千mの深海に沈み水圧によって破壊(圧壊)しない限り、当面は海底に着底した状態で、乗員は内部で生存している可能性がある。つまり適切に救助が可能ならば、貴重な人命を救うこともできるわけであり、事故の発生から半月が経過した現在もなお生存を視野に「サン・フアン」の捜索が続いていたが、11月30日〈木〉、アルゼンチン海軍は生存者発見の断念を明らかにした。
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11月22日に、包括的核実験禁止条約機構(CTBTO)からサンフアンが通過したと思える航路で、同艦が最後に交信して来た3時間後に爆発音が傍受されたという報告が公にされてからは、サンフアンは爆破したのだという憶測が飛び交っている。
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この憶測から報道メディアは原因の解明について、現在、有力説として注目されるようになっているのは、“修理の段階で新品のバッテリーに取り換えられたとされていた960個のバッテリーが、実際には中古品の再生バッテリーだった”ということである。それが、何らかの問題を誘発して潜水艦の爆発を招いたというのである。
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バッテリーが新品ではなく、中古品の再生バッテリーが用いられた理由はコスト面からである。新品のバッテリーは1個あたりユーロ換算で1万ユーロ(120万円)で、960個を取り換えるには960万ユーロ(11億5200万円)の費用がかかる。この費用は潜水艦を購入する費用のほぼ30%に相当する金額になる。
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コストの掛かるバッテリー交換だが、製造元のティッセン・クルップ社は潜水艦のテクノロジー、安全性、効率性などを考慮して、5年ごとに新しいバッテリーと交換することを薦めていた。
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1985年にこの潜水艦の建造が完成して、翌年アルゼンチン海軍に納入されてからは、アルゼンチン政府も海軍も製造元のアドバイスは一切無視する姿勢になっていたのだ。それもあって、修理も製造元ではなく、アルゼンチン国内の造船所で行っている。
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その造船所を傘下にもつタンダノールという企業は、最初は軍事産業に関係した企業であった。その後、8年間は民間企業に転換して倒産。そこで再度、国営事業として2007年に再生させることに決定したという「曰く付き」物件である。この造船所でサンフアンが修理されたのである。その為に、解雇されていたエンジニアも駆り出されたという。
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アルゼンチン国内で修理を行えば経費の節約になる。その一方で、修理の工程においては、コストを膨らませて賄賂金をその中に含むことは関係者の間では忘れなかったのである。これが汚職が蔓延していたクリスチーナ・フェルナンデス・キルチネル大統領(2007-2015)の政権下で慣例化していたという。それは企業タンダノールを復活させた彼女の夫ネストル・キルチネル大統領(2003-2007)の時から始まっていたことであった。
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汚職で腐敗に染まっていた当時のアルゼンチンで、潜水艦サンフアンが修理される前の2004~2008年間、海軍が契約する企業にはいつも不正があるとして海軍上層部を訴えた下士官ホセ・オスカル・ゴメスは、それが理由で海軍から反抗罪で更迭されたそうだ。彼の説明によると、造船所が契約した会社の社員が職務に就くのではなく、会社は飽くまで架空の会社で、実際に働いていたのは海軍の隊員であったというのである。一方、契約した架空の会社は造船所で行った仕事に対して支払いを請求するのである。
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いつも海軍と契約していた職人のひとりは、サンフアンの960個のバッテリーの再生の見積もりとして提出したところ、その金額の4倍の見積もりを提出した彼が知らない企業がその仕事を受注したいう証言も報じられている。
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再生バッテリーが潜水艦に設置されてからの保管不備によっては、機能が劣化したり、何らかの要因で海水がバッテリーに触れると水素ガスを発散させるようになる。そして、機能の劣化から端末の不備で電気ショートを起こすようになる。バッテリーが設置されているタンクに溜まった水素ガスに電気ショートによる火花が引火すると爆発を誘発するという危険性がある。
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CTBTOが傍受した爆発音というのはサンフアンが辿った航路に沿ったもので、しかも、最後の交信した後に傍受されたものである。それは艦内で水素ガスによる爆発の際に発する爆発音に相当するような特徴をもっているというのである。
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11月24日付スペイン電子紙『El Confidencial』は、日本の潜水艦「そうりゅう」について、リチウムイオン電池を搭載して水素ガス発生の危険性から回避していると
指摘している。
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