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   2017.12.01.
   千葉・佐倉市:再生土・県内各地は処分場だらけ!
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佐倉市神門地区に行政指導!
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県・異例の全量撤去指導!
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 再生土(改良土)による埋め立て工事が原因で異臭による被害が発生したと千葉県佐倉市神門(ごうど)地区の住民が訴えていた問題で、県が土壌の検査結果を踏まえて、事業者に全量撤去を求めたことが分かった。
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 再生土とは、建設汚泥などの産業廃棄物にセメントや生石灰といった固化材を混入して環境基準などをクリアし、土砂状の建設資材として再生したもの。一般には改良土と呼ばれるが、千葉県は再生土と表記している。
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 近年は、太陽光発電パネルを設置するための土地造成などに再生土を使うケースが増えている。これに伴い悪臭が発生したり、周辺土壌の水素イオン濃度(pH)が強アルカリ性になったりして、近隣住民とトラブルになる例が目立ってきた。
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 神門地区では2016年10月から、船橋市内の事業者が1万6000m2の土地に4万8000m3の再生土を搬入して埋め立て工事を進めている。現在は一部を駐車場として使用している。
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 2017年9月、地元住民が県議会に請願書を提出。請願書では、「16年7月頃から、近隣では埋め立て土から発生した異臭で窓が開けられない」、「再生土や汚泥、汚水などの撤去を要求しても事業者は一向に取り合わず、埋め立てを強行している」などとし、県に原因究明などを求めた。県議会はこの請願を採択した。
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 これを受けて、県は現地の土壌を検査。フッ素の溶出量と鉛の含有量が環境基準の2倍を超えていたため、全量撤去を求める行政指導に踏み切った。
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 佐倉市神門(ごうど)地区で「再生土」の使用をうたった大規模埋め立てを巡り、千葉県が現地を検査した結果、フッ素と鉛の濃度が国の環境基準を超え、事業者に全量の撤去を求める異例の行政指導に乗り出したことが14日、千葉県などへの取材で分かった。急増する「再生土」をうたった埋め立てに対しては、今回も含めて周辺住民から不安の訴えが頻発。森田健作知事は規制をかける千葉県条例の早期制定方針を9月に表明しているが、不安が現実となったことで対応が急がれそうだ。
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 現場は国道に近い、休耕田や集落に挟まれた一角。
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 生活環境の悪化を主張し、健康被害も不安視する複数の地元住民が今年の9月県議会に請願を提出。「埋め立て土壌から発生した異臭で窓が開けられない」「隣接休耕田に黒く異臭のする油のような水が浸入」などと指摘した上で、事態の改善と、検査の実施・結果公表を県に求め、請願は採択された。
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 県は、9月中に現地の埋め立て土壌(深さ約1m地点の5カ所)を採取。その検査結果が10月下旬に判明し、フッ素の溶出量と鉛の含有量が環境規制基準の2倍強の濃度となった。
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 再生土は、環境基準を超えないように浄化(再生)処理した素材であることが前提のため、県は、埋め立てに使われた物が資材扱いの再生土には当たらないと判断。すべての撤去を求めた。今月13日夕に同地区で住民への説明会を開いた。
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 県は、搬入元の業者なども含めた詳しい経緯の調査を継続する。「住民の意見を聞きながら対応を進めていきたい」としている。
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 一方、佐倉市が実施した周辺の水質検査では環境基準超えはないという。
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 県は2015年9月から「再生土」の県内実態調査に乗り出し、2016年9月には 行政指導上の指針を策定した。県が全量撤去を求めたのは同指針の策定後初。
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 同指針では、計画書の提出や環境・地形面の安全基準順守などを求めているが、強制力や罰則はなく、指針に沿わないまま埋め立てを終える例も出ている。
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 このため、打ち出されたのが罰則付きの県条例制定。県廃棄物指導課は「現在、規制の対象や内容について検討を進めており、早期の制定ができるようにしたい」と説明した。 
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 強制力を伴う包括的な県条例が制定されれば、新規埋め立ての適正化は進む可能性がある。半面、埋め立て済みや進行中の事例への対応も課題となる。
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◇再生土◇
建設現場から出た汚泥などを再生処理した物。太陽光発電所の底地や資材・車両置き場の造成用として県内でも使用が急増中。原則、産業廃棄物扱いにはならず、事業着手段階では事実上、法律や県残土条例による規制の対象外。県は15年9月から今年8月末までに142カ所の埋め立てを把握済み。他県や県内の一部の市では独自規制を始めている。
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千葉県
再生土等の埋立て等に係る行政指導指針(本文)
用語の定義
(1)「再生土等」とは、建設汚泥その他の産業廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「廃棄物処理法」という。)第2条第4項に規定する産業廃棄物をいう。以下同じ。)を中間処理施設において中間処理し、有用な資材として再生したものをいう。(「廃棄物処理法」第2条第1項に規定する廃棄物を除く。)
(2)「埋立て等」とは、再生土等を利用した土地の埋立て、盛土及びたい積(製品の製造又は加工のための原材料のたい積を除く。以下同じ。)を行う行為をいう。(3)「埋立事業者」とは、埋立て等を行う事業者をいう。
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