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   今世紀中の南アジア:人が住めない場所になる!
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人の生存可能な限界値・35度!
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 米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らが、南アジアの気候変動に関する新たな研究報告をまとめた。それによると今世紀中にインド、パキスタン、バングラデシュの一部地域は、火ぶくれができるほどの気温で、人間が住めなくなるという。
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 世界人口の5分の1が暮らす南アジア地域では、地球温暖化に歯止めをかけるための対策を何も講じなければその高気温と高湿度がさらに進み、今世紀末までに人が生存できないレベルに達する恐れがあるとする研究結果が8月2日、発表された。
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 米科学誌「サイエンス・アドバンシズ」に掲載された論文は「人が防御(手段)なしで生きられる温度と湿度の水準を超える夏の熱波」について警鐘を鳴らしている。
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 米マサチューセッツ工科大学(MIT)などの研究チームが行った今回の研究は2つの気候モデルに基づいている。一つは、気候変動を食い止めるための措置をほぼ何も講じない「成り行き(BAU)」シナリオで、もう一つは2015年のパリ協定の下で世界190か国以上が合意した「気温上昇幅を2度未満に抑える」ことを目標とするシナリオだ。
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 気温だけでなく「湿球温度」の予測を調査対象としたのは、この種の研究としては今回が初めてだ。湿球温度は、気温および湿度とそれに応じた冷却能力を組み合わせたもの。
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 人が生存可能な湿球温度の限界値は35度と考えられている。
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 論文によると、BAUシナリオの下では「今世紀末までに、湿球温度が南アジアの大半で生存限界値に近づき、いくつかの地域では限界値を超えると予測される」という。
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 南アジアでこの多大な弊害をもたらす湿球温度にさらされる人口の割合は、現在の0%から約30%にまで上昇すると、論文は指摘している。特に人口密度が高い農業が盛んな地域では最悪の影響が生じる恐れがある。これは労働者らが冷房の効いた環境に避難する機会がほとんどないまま、暑さに耐える必要があるためだという。
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「危険な猛暑が早ければ数十年以内にインド、パキスタン、バングラデシュなどの地域を襲い始める可能性がある。この中には、同地域の食糧供給の大半を支える肥沃なインダス/ガンジス川流域も含まれる」と、論文は述べている。
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 中国では新疆ウイグル自治区の猛暑が話題をさらっている。有名な丘陵・火焔山があるトルファン市は、気温40度以上の酷暑日が13日も続いている。7月10日午後6時、同市の最高気温はなんと49度に達し、現地の過去最高気温記録を塗り替えた。同市の二堡(カラゴジャ)郷に至っては50度を突破した。
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 同自治区以外に、陝西省の多くの地域でも高温記録を次々に塗り替えている。同省の気象台のモニタリングによると、10日午後4時の時点で、西安市の気温が40.9度に達した。また、19のモニタリング地点の気温も40度を超えた。
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 甘粛省では7月7日以降、青空が広がり気温がどんどん上がり、10日から、一部の地域の気温が35度を上回った。また、いくつかの県・区の気温もここ20年で最高を記録した。
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 インドには12億5000万人、パキスタンとバングラデシュには3億5000万人が暮らしている。2015年、インドとパキスタンの広い地域に熱波が押し寄せ、約3500人が死亡した。これは近代史上で5番目に大きな被害規模となった。
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  米商務省海洋大気庁(NOAA)は、「ヒートインデックス(気温と湿度から算出した体感温度)」という概念を打ち出した。この指数は、人体の体感温度を左右する重要指標として「湿度」を取り上げている。
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  高温によって人体にはどのようなダメージがもたらされるのか?湿度が高くなると、程度の差こそあれ、人体にさまざまなダメージがもたらされることが、関連研究から明らか
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【高温対策】
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1、屋外で作業する際には、有効な暑さ対策を行うこと。炎天下で、肌を長時間晒すことは厳禁。冷たい飲み物を常に携帯しておく。
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2、炎天下で速く走らない。むやみに人混みに出ない。屋外から室内に入った時は、すぐにエアコンの冷風を大量に浴びないこと。
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3、午前10時から午後4時の間は、可能な限り外出を避ける。喉が渇く前の水分補給を心がける。
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4、高温の日は、胃腸からの風邪を予防するため、飲食と衛生に注意する。
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5、毎日、睡眠をたっぷりとり、規則正しい生活と労働生活を心がけ、免疫力を高める。
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6、高齢者や乳幼児など特別な人々への配慮を怠らないこと。高温の日は、高齢者の心臓・脳・血管系疾病や子供の体調不良が起こりやすい。
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7、太陽光を浴びる際には、日光皮膚炎(湿疹)の予防を心がける。もし、皮膚が赤く腫れるなどの症状が現れた場合は、冷たい水で患部を洗い、症状が重い場合は病院で診察を受けること。
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8、眩暈・吐き気・口の渇き・ぼーっとする・息苦しいなどの症状が出た時は、熱中症の初期症状を疑い、ただちに休息をとり、冷たい水を飲んで体温を下げる。症状が重い場合は病院で診察を受けること。
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