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スパイウエアのインストール拒否・削除なら連行!
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中国が新疆ウイグル自治区のイスラム系住民に監視アプリを配布。拒否したり削除すれば連行される。中国の新疆ウイグル自治区に暮らすイスラム系少数民族のウイグル族が、スマートフォンにスパイウェア・アプリをインストールすることを強制されている。その狙いは、中国政府の監視当局が「テロリストや不法な宗教活動に関連する」コンテンツを発見できるようにすること。
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「ラジオ・フリー・アジア」の報道によれば、ウイグルの首府ウルムチの中国政府当局は2017年4月、「百姓安全」と呼ばれるアプリを開発したという。このアプリは、政府が市民の携帯デバイスをスキャンし、「テロリストのプロパガンダ」を発見できるようにするためのものだ。
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ウイグルに住むウイグル族は7月中旬、チャットアプリ「微信」を通じて、地元警察からの通達を受け取った。通達の内容は、「監視アプリ」をインストールし、抜き打ち検査に備えるよう求めるものだった。
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警察は、路上での職務質問で、アプリがインストールされているかどうかをチェックし始めている。微信経由で送られたメッセージは、中国語とウイグル語で書かれていた。
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セキュリティ情報サイト「ブリーピング・コンピューター」の報道によれば、問題のアプリは、ユーザーのファイルのログを作成し、既知のテロリストの動画やコンテンツを集めたデータベースと照らし合わせるもの。また、ユーザーの「微博」や微信のデータベースのコピーを作成し、WiFiログイン情報とともに政府のサーバーにアップロードする機能もある。
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アプリをインストールしなかったり、あとで削除したりした人は、最長で10日間にわたって警察に拘束される可能性があると、地元メディアは報じている。アンドロイド携帯の利用者は、警察の送信した微信メッセージにあるQRコードをスキャンし、自動的に百姓安全アプリをダウンロードしてインストールするよう求められている。
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当局によればこのアプリは、スマートフォンに保存された「テロリストや不法な宗教活動に関連するビデオ、画像、電子書籍、電子ドキュメントを自動的に検知する」ものだという。
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トルコ系民族であるウイグル族の人口は800万人ほどで、ウイグル自治区の人口の約半数を占めている。中国のほかの省では、今回と同様の対策はとられていない。ウイグルでは近年、デモや衝突がたびたび起きており、数十人が死亡している。
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この地域ではテロ組織ISIS(自称イスラム国)の存在感は薄いとされているが、中国政府は、ブルカなどのイスラム伝統衣装の公共の場での着用を禁じるなどの対策をとっている。
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2016年8月現在、悪名高きテロ組織ISIS(自称イスラム国、別名ISIL) の戦闘員になった中国人イスラム教徒が少なくとも300人はいる、中国西北部の新疆ウイグル自治区で頻発する暴力行為の責任は過激なイスラム主義思想と、外国のテロ組織に感化された一部住民にある――中国の国営メディアや政府当局は繰り返しそう主張してきた。
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一方でアメリカの専門家や人権団体はこうした主張に異議を唱え、中国政府の政治や宗教における抑圧が問題の元凶だと指摘。ISISの戦闘員に加わっているウイグル人はわずかだと主張してきた。
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だがISISの離脱者から最近もたらされた情報によれば、実際にかなりの数のウイグル人がISISに志願している可能性が高い。
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7月20日に米シンクタンク「ニューアメリカ財団」が公表した報告書は、13年半ばから14年半ばまでにISIS戦闘員に加わった4000人以上の履歴データを検証し、そこに記入された出身国や渡航歴、教育水準、職業などの情報を分析している。
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その結果、少なくとも114人のウイグル人が同期間中にISISの支配地域に入っていたことが判明した。
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この報告を書いたネイト・ローゼンブラットによれば、戦闘員のデータはシリア現地の情報源から入手したもの。分析の結果、ウイグル人の戦闘員は概して貧しく、教育水準が低く、職業的な技能も建設作業員程度だった。彼らの73%はISISが14年6月にイラク北部の主要都市モスルを制圧した後に加わっている。年齢層は他の民族集団に比べて幅広く、10歳から80歳まで多岐にわたる。彼らは家族ぐるみでISISの支配地域に「移住」しているらしい。
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こうしたウイグル人戦闘員のほとんどは、ジハード(聖戦)に関してまったくの素人だ。ジハードに参加したことがあるかという設問には110人が「なし」と回答し、残る4人も無回答だった。
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さらに彼らの70%は、ISISに加わるまで一度も中国から出たことがないと回答した。このことは、彼らが東トルキスタンイスラム運動(ETIM)のような「以前から中国内で活動していたイスラム系分離独立派の組織」とは無関係であることを示唆していると言う。
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