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武器取引市場は18年には減少に転ずる!
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国際コンサルティング会社ジェーンズIHSマーキットは7月19日、「世界の武器取引」年次報告を発表した。昨年、世界の武器取引市場は43億ドル拡大し625億ドルになった。2013~13年にかけ世界の国防支出は減少したが、武器輸入が増えた。
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中国が軍事要塞化を進める南シナ海や北朝鮮の核・ミサイルが配備段階に入ったとみられる北東アジアでは、武器輸入で軍備を増強する国が増えています。
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サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、アルジェリア、イラクの武器輸入額は14年の計99億ドルから16年には同152億ドルに膨れ上がった。03年のイラク戦争、中東の民主化運動「アラブの春」で不安定化した中東は「世界の火薬庫」になりつつある。
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サウジの武器輸入は49億ドルから83億ドルに増えた。中東の武器輸入は20年以降、急速に縮小するとみられているものの、今後4年間は毎年、平均で220億ドルの武器を輸入し続ける見通しだ。
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滞留している発注済みの武器輸出分を見ると約5%も減っており、今後3年、武器取引は横ばいというよりむしろ減少する傾向です。IHSマーキット上級アナリストは「
世界の武器輸出市場が減少すると予測するのは初めてのことです。理由はいくつかあります。(中東の産油国が武器を輸入する際の原資となっている)エネルギー価格が下がったこと、武器の国内生産が増えたこと、武器輸出の増加が長く続いたことで世界市場が一息ついたことなどが考えられます」
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「武器取引市場は18年に減少に転ずる可能性があります。これは私たちが09年に記録をとり始めてから初めてのことです」
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東アジアへの武器輸出は15年の104億ドルから16年の128億ドルに増えた。
中国の軍事的な脅威に対抗するため、韓国や台湾、日本が武器輸入を大幅に増やしており、「韓国の武器輸入が今年、中国を追い抜くでしょう」と話している。
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世界最大の武器輸出国はやはりアメリカです。サウジに武器を供給しているのもアメリカで、アメリカの武器輸出額は232億ドルから268億ドルに増え、ロシアも63億ドルから72億ドルに増やしています。
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スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、16年の世界の国防支出は前年比0.4%増の総額1兆6860億ドル。最大の支出国アメリカは1.7%増の6110億ドル(世界全体の36%)。2番目の中国は5.4%増の2150億ドル(同13%)。
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上位15カ国の中にアジア太平洋地域から中国、インド(559億ドル、世界全体の3.3%)、日本(461億ドル、同2.7%)、韓国(368億ドル、同2.2%)、オーストラリア(246億ドル、同1.5%)の5カ国が入っている。中国の軍事的脅威に対抗するため軍拡が進んでいる実態が浮き彫りになっている。アジア太平洋全体の支出総額4500億ドルの半分近くが中国だ。
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【武器売却国】
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