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ゼネコン受注額・設備投資のバロメーター!
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18年後半から受注が減速へ!
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なんとなく企業収益が回復傾向にあるが、相変わらず内需を中心とした景気回復の勢いは弱い。これから先、景気が上向くのか、横ばいなのか、下降するかのバロメーターは建設業大手・中堅ゼネコン26社の2018年3月期の工事採算予測を見るとわかりやすい。
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来年度予測は悪化傾向へと転じる見通しだ。
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17年3月期の決算は、大林と鹿島が増収、清水建設と大成建設が減収となったが、4社揃って大幅増収となった。営業利益と経常利益は1200~1600億円台となった。
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大林、鹿島、大成は営業利益と経常利益・純利益が最高額となり、清水は純利益が最高額となった。
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押しなべて、利益の押し上げは工事採算の大幅改善にあり、選別受注に加え、建設コストが予想を下回り、各社の生産性が軒並み改善したことにある。しかし、来年度の工事内容は年度後半から大型手持ち工事の消化が一気に進み、工事採算は高水準でも労務費高騰などを加味し、弱含みの流れが各社に広がっている。
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公共工事の不足分を民間でカバーしているが、オリンピック以降の経済懸念から、民間ベースが公共工事をカバーできるかは予断を許さない。全国自治体のインフラ整備が予算の関係もあり、一気に発注される見込みもなく、19年を境にしてダラダラと下り坂になるようだと、政府・日銀の手当の不手際が指摘されるようににりそうだ。また馬鹿の一つ覚えのように、高速道路・新幹線整備、空港・港湾整備に金を突っ込むようなら、一部有力ゼネコンは生きても、地方ゼネコンは淘汰される時代を迎えることにある。
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全体的に言えることだが、現在の企業収益が大きくなっても、それが個人消費と設備投資の回復に繋がらず、経済の好循環に寄与していないことが原因である。
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過去にも同じ出来事があった。2000年秋頃からは誰の目にも景気悪化が明らかなものとなり、国内の鉱工業生産が大きく落ち込む一方で在庫率指数は急上昇。結局のところ2001年3月には、再び事実上のゼロ金利政策に復帰することが避けられない状況となった。ここで重要なことは「なぜ、当時の『ダム論』は日銀が主張したような結果に至らなかったのか」ということである。
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2000年8月、日銀は前年(1999年)2月から実質的に実施していた「ゼロ金利政策」の解除を決定した。この決定に先立って、ゼロ金利政策の継続が必要と考えていた政府は議決延期請求を行ったが、これはあえなく否決された。政府の強い反対を押し切ってまで、ゼロ金利政策の解除が適当であるとして日銀が持ち出してきたのは、忘れもしない「ダム論」であった。
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これは「企業収益の増加の影響は直ちに表れるのではなく、貯水されたダムのように、家計所得や個人消費の増加へと徐々に波及する」という考え方である。果たして、その後の家計や個人は日銀が主張したとおりに、ダムから流れ落ちてきた豊かな水の流れによって大いに潤ったのか。
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ここで言う「ダム」の水は下流に向かうほど十分に貯まりはしなかったのだ。たまたま、当時の米国を中心に盛り上がっていた「ITバブル」が徐々に崩壊しつつあったことは不運であったとも言えるが、その兆しに対する予見がまったくなかったというのも問題と言えば問題である。当時、ゼロ金利解除の時点で景気後退を予測していたエコノミストはいなかった。
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原因は、ダムの水量が少なすぎた。当時の企業収益は回復を続けていたが、利益率がバブル期を下回るなど、利益水準は高くはなかった。
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現在の企業の収益環境は劇的に改善し経常利益は、金額で見れば過去最高を記録し、売上高比率も7%まで上昇し、2000年当時と比べると2倍の水準である上に、営業利益率も当時を大きく上回っている。今のダムの水量は潤沢であると言える。労働配分率はバブル期以前のレベルまで低下していることに加え、設備投資もキャッシュフローを大幅に下回る状態が続いている。内部留保だけが積みあがっているが、企業利益を有効活用していないのは事実である。
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設備比率は過剰気味な傾向が続く。それは、ここ5年間売上高が増えないのに人件費と設支出が増えていったなら、過剰問題を抱え込んでしまう。どうしても自制傾向になってしまう。
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2000年の時はダム水量が少なく、今回は水量は十分だが放水路が狭く(自制のため)家計に水が流れにくくなっているのだ。最近になり、状況が変わってきた。企業の人件費は、売上高が増えない環境下ではパートタイム比率を引き上げ、総人件費を抑制してきたが、労働力のひっ迫が人件費の高騰と言う事態を招いており、パート人件費でバランスを取る方策が難しくなってきた。これは正規社員での人手不足にも現れている。
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このように人手不足社会の到来とともに、企業がダムの放水路を狭くしても、外部から人不足と人件費高騰と言う新しい問題に突き当たってきた。大手企業は内部保留の収益を使えばよいが、下請け企業である中小零細企業は内部の利益蓄積もなく、人件費倒産と言うアクシデントになってしまうかもしれない。大手企業は、中小零細企業があって成り立っている部分が多く、根本的な対策をしないと手遅れと言う事態になるかもしれない。
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