無料カウンター    2017.05.16.
   中国の戦略:空母大国を目指すのは!
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米国は間もなく12隻体制へ!
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中国の2隻目・建造費3300億円!
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最終利用目的は石油・ガス輸入路の防衛に!

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 5月14、15日と北京で経済圏構想「一帯一路」のパフォーマンス会議が終わり、参加国の思惑と中国の思惑が一致したのかは疑わしい。陸路での貿易バランスは、中国が投資した地域は賛成だが、全体的に見れば中国の過剰製品などがばら撒かれている節 がある。ハンガリーへの高速鉄道整備も計画するという事は、東欧諸国への輸出拡大を狙っているのだろう。
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 海路を見れば、中国はギリシャのピレウス港の運営権を握り、各国の港湾を手中にすることは、中国海軍の寄港地でもあり、これから先の空母の居留地ともなる戦略基地と なりそうだ。そのような中国の陸海路の先には、輸出品は過剰生産の捌き地として、輸 入は石油・ガス・鉱物資源の輸送路としての使命がある。海路防衛の建前で空母を増産し、究極は原子力空母をと狙っているようだが、空母は金食い虫で今後の増艦次第では維持費と言うボデイブローが効いてくる。
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 4月26日、中国初の国産空母が遼寧省大連の建造ドックから進水し、軍当局は「わが国の空母建造は重大な段階的成果を得た」(国防省報道官)と自賛した。上海では2隻目の国産空母が建造中で、原子力空母の建造も視野に入れるなど中国は「空母大国」に向け突き進んでいる。一方で巨費を投じる空母の建造が中国の財政を圧迫するとの指摘も米国の専門家から出ている。
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 将来、中国の空母戦力が「財政的な大惨事」を招く-。米ニュースサイト「ワシン トン・フリービーコン」は新空母の進水にあたり、米軍事専門家の分析を紹介した。
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 「計画が見直されない限り、中国の空母は大きな財政的難題となるだろう。空母への資源の投入は米国においても巨大な財政負担となっている」
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 こうした専門家の見方の背景にあるのが、中国における空母建造の進め方だ。新空母は中国初の空母「遼寧」の前身である旧ソ連の未完成空母「ワリヤーグ」を元に設計、改良したもの。米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)によれば、艦載機 の殲(J)15の収用数は遼寧の18~24機から8機程度増える見通しだ。一方、ス キージャンプ方式の甲板によって艦載機自らの推力で発艦する方式を踏襲しており、艦 載機の搭載燃料や武器重量が制限される課題は残されたままだ。
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 上海で建造中の空母は、まったく別タイプの設計とみられている。現在の米原子力空母に設置されている、高圧蒸気で艦載機を発進させる装置「カタパルト」(射出機)を備えていると同サイトは予測。さらに次世代の空母は、リニアモーターによる電磁式 カタパルトが設置され、原子力による動力システムが導入されると分析する。
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 ただ日本の軍事アナリストによれば、中国は現在、蒸気カタパルトよりも高度な技術が必要な電磁式カタパルトを優先的に開発しているもようだ。通常動力型の空母に蒸気カタパルトを搭載すれば、船の動力の相当部分をカタパルトが消費してしまうためだ。
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 いずれにしろ、大連と上海の空母は設計思想が根本的に異なっており、それぞれを 運用させた上で設計を統一するとみられている。
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 こうした中国のやり方に対して、米国の空母設計の専門家は同サイトにこう指摘し ている。「甚だしく設計が異なるタイプの艦隊を運用するのは、効果的な空母戦力を形成する方法ではない。いずれ後方支援上の悪夢であることが明らかになるだろう」
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 また別の米研究者は「海軍の艦船の維持には巨額のコストがかかる。それ(空母の建造)は絶え間なく拡大を続ける資源の消耗であり、手遅れになるまで中国側は気づかないだろう」と警告した。
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 ロシアメディアは2013年、中国初の国産空母の建造費用が約30億ドル(約3300億円)に上るとの建造関係者の話を報じている。空母打撃群としての運用・維持には、さらに数千人の空母乗組員や数十の艦載機、さらには一体運用する駆逐艦や潜水艦などが必要となり、莫大な費用がかかることは間違いない。
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 別の専門家は、今後数年間で中国が空母を複数建造した場合、投資額は計1300億元(約2兆800億円)に上り、中国の経済成長を刺激すると指摘。ハイテク分野での雇用創出や、コンピューター・通信産業などの発展をもたらし、国内総生産(GDP)への直接的な貢献額は数千億元に上ると楽観的な見方を示した。
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 米国は現在10隻の空母を保有しており、さらに2隻を建造中だ。中国はそこまで多くの空母を建造するつもりはないとして、中国の専門家は同サイトの「財政危機説」を否定する。「そうした考え方は完全に間違っている。米国の専門家が中国をよく理解していないか、われわれの偉業を快く思っていないかだ」
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 しかし、過去の歴史でもロシア、フランス、英国など海を制覇し、維持することは
膨大に経費が掛かるという事だ。
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