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軌道に乗るにも30年はかかる!
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青森から島根までの沖合に、メタハイの塊が眠る円柱状の「ガスチムニー」と呼ばれる地形構造があり、約1200確認された。直径数メートルの塊も海底に露出していた。
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経済産業省は5月4日、4月下旬から愛知・三重県沖で実施しているメタンハイドレートの商業化に向けた実験で、天然ガスの産出を確認したと発表した。海底で採掘されるメタンハイドレートは分解すると天然ガスが得られる氷状の塊で、「燃える氷」とも呼ばれる。2013年の前回実験は設備トラブルが起こり6日間で打ち切ったが、今回は3~4週間、継続して生産するのが目標だ。
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経済産業省は4日、愛知県沖の東部南海トラフで行っていた「燃える氷」と呼ばれる次世代燃料メタンハイドレートの産出試験で、天然ガスの採掘に成功したと発表した。
洋上でガス産出に成功するのは、平成25年の産出試験に続き2回目。30年代後半の商業化に向け、3~4週間にわたる連続産出を目指す。
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産出試験は、地球深部探査船「ちきゅう」を使い、メタンハイドレートのある地層まで、水深約1000mの海底を約300m掘り進めた。同日未明からメタンハイドレー
トを水とメタンガスに分解し、午前10時ごろにメタンガスの産出を確認したという。
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今後は約1カ月間、連続運転を行い、天然ガスを安定して生産できるかを確認する。試験結果を踏まえて、民間主体の開発への移行を検討するほか、31年度以降の開発工程表を作る計画だ。
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同試験は国の委託を受けた独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)などが実施した。前回の試験では約2週間の連続産出を目指したが、海底の砂などが採掘時に巻き上がって設備に詰まるトラブルが発生し、6日間で打ち切っていた。
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経済産業省は2月20日、「燃える氷」と呼ばれ、国産の次世代燃料として期待されるメタンハイドレートの2回目の海洋産出試験を、今年4月に開始すると明らかにした
。平成30年度まで行う政府主体の開発事業では最後の産出試験。約1カ月間の連続運転で安定した生産が見込めれば、30年代後半には民間主体の開発に移行する方針だ。
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メタンハイドレートの試験採取は、25年に行われた第1回産出試験と同じ愛知県沖 の東部南海トラフで実施。濃集体(ガス田)が10カ所以上確認されており、産出困難な分も含めて、日本の天然ガス使用量の約10年分に相当するメタンガスの埋蔵が見込まれる。
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1回目の産出試験では、採掘の際に海底の砂などが一緒に巻き上がって設備に詰まる不具合が続出し、2週間の予定が6日間で終了した。今回は1回目の反省を生かした土砂対策の有効性を検証する。
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政府は13~30年度の18年計画でメタンハイドレートの開発を進めてきた。最終 段階の28~30年度は今後の商業化に向けた基礎的な技術を整備し、費用対効果や環境への影響を評価する。今回の試験結果をもとに、技術開発を継続するかどうかも判断する。
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継続と決めれば、経産省や資源開発会社などは30年度中に31年度以降の開発事業の工程表を作る。経産省幹部は「(メタンハイドレートに対する)国民の期待は強い。実用化できるかどうかは、今回の試験にかかっている」としている。
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日本のメタンハイドレートは2種類ある。太平洋の海底の砂層に混在する「砂層型」 と、日本海の海底近くに露出している「表層型」だ。
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愛知・三重県沖で25年3月、経済産業省から委託された石油天然ガス・金属鉱物 資源機構(JOGMEC)が海底からのメタンガスの産出試験に初めて成功した。「砂層型」から採取されたガスが船上で赤々と燃える映像が世界に流され、メタンハイドレート開発のトップランナーを印象づけた。
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だが、計画通りではなかった。6日間で12万m3のガスを産出したが、試験は2週間の予定だった。メタハイは水とメタンガスが高圧低温の条件で結合している。水をくみ上げることでメタハイ層を減圧して強制分解させ、メタンだけを取り出す方法が採用された。しかし、坑内に砂が流れ込み、井戸の一部が埋まるなどして生産が継続できなくなった。
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メタンハイドレート研究の第一人者である明治大の松本良特任教授は「半分ぐらいの成功だった」と指摘する。同沖では来年1~3月に2回目の産出試験が予定されている。それに向け、5月から約1カ月間、探査船「ちきゅう」を使って、水深約1000mの海底に井戸が掘られた。「同じようなトラブルが発生すれば、砂層型メタハイ開発を
どうするかという議論になるかもしれない」(松本氏)。次の試験は商業化の準備に入ることができるかを占う「正念場」となるのだ。
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