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   シリアのサリン爆撃:露関与の可能性・米軍高官!
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露はアサド政権と共謀か単に無能だったか・国務長官!
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 2010年頃から始まった「アラブの春」といわれる、アラブ世界に広がった反政府デモ(民主化運動)があり、いつしか民主化を求める反政府活動の一部が過激化し、2013年ごろ、シリアにおいて反政府派(反体制派)と政府側(アサド政権側)による内戦となり、現在も続いているシリア問題です。問題を複雑にしているのは、アメリカを中心とした西側諸国やアラブの一部の国が反政府勢力に武器を供与し、そのため内戦が長期化し、加えて第三勢力としてイスラム国(IS)が台頭し、シリアに流れ込んでことで事態を余計複雑にした。
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 さらに体制側(アサド政権側)にロシアやイラン、北朝鮮、中国などが付き、とうとうアメリカとロシアの代理戦争の色合いが濃くなった。
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 2016年末、オバマ政権が終わる前に、政府側(アサド政権側、つまりロシア側)が重要拠点であるシリア北部のアレッポを制圧し、米露の代理戦争はロシア側がほぼ制したとみられていたが、アサド政権側(ロシア側)が反政府側地域の空爆でサリンを使用したのではないかとみられ、アサド政権側(ロシア側)はサリン攻撃の関与を否定していたが、国連審議中に米国は西側諸国と打ち合わせなく、米国単独で政府側基地をミサイル攻撃した。
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 ロシアもシリア政府も関与していないと言っていたが、米軍高官は4月7日、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したとみられる空爆を北部イドリブ県ハンシャイフンで4月4日に行った際に、ロシア軍が関与していた可能性があるとの見方を示した。空爆の5時間後に、負傷者が搬送された病院が爆撃を受けたが、爆撃前にシリア政府かロシア軍の偵察用無人機が飛行していたといい、高官は「ロシアが(化学兵器の使用を)知っていたか支援していた可能性がある」と主張した。
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ロシア外務省は7日、米軍による6日のシリア空軍基地への攻撃を受け、米露両軍がシリアで衝突回避のため維持してきた連絡体制を停止したと述べた。しかし、米軍当局者は現在も「機能している」と語っており、双方の主張は食い違っている。
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 米軍の攻撃では、東地中海洋上の米駆逐艦から59発の巡航ミサイルが発射された。ロシア国防省は標的に到達したのは23発のみで「攻撃の精度は低い」としたが、米軍によるとすべて標的に命中し、シリア政府軍の戦闘機約20機などを破壊したという。
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ロシアが支援するアサド政権に対する軍事行動に踏み切ったことで、トランプ氏が唱えてきた米露関係の改善は絶望的になった。
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 ティラーソン米国務長官は6日、滞在先のフロリダ州で、ロシアの役割について「(アサド政権と)共謀していたか単に無能だったかのどちらかだ」と挑発した。
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 トランプ政権は当初、中東を不安定化させ、IS台頭の温床となったシリア内戦を終結させるため、ロシアのアサド政権に対する影響力を重視してきた。トランプ氏はシリア攻撃に先立つ5日の記者会見でロシアとの協力を問われ、「ISや他のテロリストを完全に撲滅するためなら誰とでも協力する」と答えた。
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 米政府はシリア攻撃をロシアに事前通告。ティラーソン氏は11、12両日の訪露でラブロフ外相と会談し、プーチン大統領とも面会する予定だ。今回の攻撃にはロシアの協力を引き出す狙いもあるとみられる。
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 トランプ政権としては米兵の犠牲を伴うシリアへの全面的な軍事介入に慎重なため、北朝鮮の挑発行為で中国に影響力発揮を求めているのと同様に、ロシアがアサド氏の後見人として非人道的な行動を踏みとどまらせる役割を期待する。
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 ロシアによる米大統領選への干渉疑惑やトランプ氏側近とロシア政府のつながりが問題視され、対露関係改善の機運はしぼんだ。再び化学兵器攻撃が発生すれば、トランプ氏は与党・共和党の激しいアサド氏退陣論に直面し、追加的な措置を迫られる。
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 米国務省高官は「ロシアは信用を失っており、今後の米露関係はシリア問題での対応にかかっている」と述べている。
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