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一説では8800兆円!
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MBS不正販売で1兆5千億の和解金を要求され!
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リーマンショックの再来か―。日本ではあまり報道されていないが、欧州最大のドイ ツ銀行に危機が迫っている。財政基盤が脆弱にもかかわらず、同行が積み上げたデリバ
ティブの残高が天文学的な額に達しているからだ。
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「一説には75兆ドル(約8800兆円)と、ドイツのGDPの20倍超とも言われてい る。ただ、確かに巨額ではあるが名目額面なので、本来はそれほど心配する必要はない
。ところが、実際の中身がどうなのか外からは窺い知れず、不安が拡大しているのです 」
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さらに9月には、リーマンショック前にMBS(住宅ローン担保証券)を不正販売 したとして、米司法省から140億ドル(約1兆5000億円)もの莫大な和解金を要求さ
れ、同行の株価は’99年来の最安値を更新した……。
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「ドイツ銀行が危機に陥っても、ドイツ政府は救済しないと明言しています。ギリシャ危機では支援を行ったが、同時に厳しい財政再建をギリシャに課したように、ユーロ
圏では単に助けるようなことはしません。当時、真っ先に『支援はしない』と主張したのはドイツだったので、政治的にも、ドイツ政府は救済に乗り出せないのです」
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ドイツ銀行危機のトリガーとなるは、格付け機関による同行の格下げだ。
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「現在、ドイツ銀行の預金格付けはA3ですが、実態とかけ離れている。リーマンシ ョック当時もそうでしたが、格付け機関は金融不安などで騒ぎが大きくなると、慌てて
大幅な格下げに踏み切るのです。当然、パニックを誘発し、危機の拡大を助長すること になります」
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ドイツの金庫の大手メーカー「バーグ・ベヒター」社の家庭用金庫の今年上半期の売上は昨年同期に比べ25%伸びたそうだ。他の大手2社も二桁の成長をしているという。
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その理由は、ドイツ市民が銀行にお金を預ける代わりに家庭で金庫にお金を保管することを選択しているというのである。つまり、経営難にあるドイツの銀行の倒産を懸念して、銀行に預けているお金を引き出しているのである。しかも、ライファイゼン銀行のように、9月1日から10万ユーロ以上の預金者を対象にマイナス金利0.4%を適用するという銀行も現れたことから、市民は銀行にお金を預けることから、尚更、敬遠する傾向が強くなっているという。
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ドイツでは、ドイツ銀行とコメルツ銀行の2大銀行を除くと、州立銀行とか協同組合的な貯蓄銀行といった中小規模の公的銀行が多い。これらの公的銀行は国際金融業界において厳しい競争の経験が薄く、収益率も悪い。しかも、ドイツ政府は健全財政を強調して来ているが、金融関係の負債は銀行にそのまま押し付けているというのが現状である。それが、また資金力のある2大銀行だけが巨大化する要因ともなった。しかし、問題はそのひとつであるドイツ銀行が破綻するかもしれない状況に陥ってるということである。
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世界的に景気低迷にある中で、ドイツ銀行は厳しい未来が待ち構えている。現在のドイツ銀行は75兆ドル相当の金融取引で派生したデリバティブ債を抱え、この総額はEU全体のGDPの5倍、ドイツGDPの20倍に相当する規模にまで巨大化している。仮にドイツ銀行が破綻したとしても、ドイツ政府がそれを補填することが出来ない額である。簡単に言えば、世界恐慌を引き起こすに十分なリスクを背負っているということである。この取引の中には、将来財政破綻しても不思議ではないギリシャへの債権や、同行の歳入の19%をEU離脱を決めた英国に依存しているという危険を伴っている。また、最近からまた騒がれているイタリアの銀行危機とも関係している。
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ドイツ銀行は昨年67億ユーロ(7370億円)の赤字を計上。更に、同銀行の株価は今年45%の下落、2008年から比較すると90%以上の評価損になっており、同行の競争力が落ちているのだ。米国で廃ガス不正問題を起こしたフォルクスワーゲン社のメインバンクもドイツ銀行で、不正問題に関係して伴う巨額の賠償金などにもドイツ銀行がその為の必要資金の工面をせねばならない。経営難である上に、この多額の資金の工面は同行への経営不安をより高めることになる。
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更に、問題として収益率の低下もある。そのひとつは欧州中央銀行の政策金利が0%になっているのも一般に銀行の収益率の悪化に繋がっている。2009年からヨーロッパの金融業界での利息による収益率は7%減少したという。
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これは、ヨーロッパの景気低迷で資金需要が減少して銀行からの融資を求めることが少していることによる。特に、ドイツのように、財政緊縮政策を政府が実行して来た影響で、公共事業が減り、企業の方で請け負う仕事が減少して銀行に融資を求める必要がなくなったことによるものである。それが、連鎖反応して関連企業でも資金需要が必要でなくなっている。
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ドイツ2大銀行の合併話も出たが消え、スペイン銀行が買収するのではという憶測も あった。ドイツ銀行単独での生き残りは不可能との見方が強い。自立救済で急きょ1500億ドルの資金投入を求めて目ているが。
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仮にギリシャ財政危機が再燃すれば、債権銀行であるドイツ銀行への不安は一挙に爆 発する。現在のギリシャは国有資産を売却して必要資金をつないでいるようなもので、財政危機は近い将来必ず訪れる。同様に。イタリアの金融危機もこれから更に深刻化する。ヨーロッパで一番多額の不良債権を抱えているイタリアの銀行の危機が長引くと、これもドイツ銀行に火種を預けるようなものである。
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欧州は金融面で難問を抱えた国が多い。ドイツ銀行の破綻は世界恐慌の引き金になる 。
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