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   がん治療薬・オプジーボ:異例の50%緊急値下げ!
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17年度から実施へ・厚労省!
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 厚生労働省が高額な新型がん治療薬「オプジーボ」の価格を最大50%引き下げる方向で調整に入ったことが分かった。11月16日にも中央社会保険医療協議会(厚労相 の諮問機関)を開いて提案し、了承されれば2017年度に薬価を改定する。
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 オプジーボはがん細胞を攻撃するがん治療薬。皮膚がん治療のため14年に保険適用が認められたが、肺がんにも対象を拡大したことで利用者が急増。患者1人当たり年3500万円掛かり、医療財政を圧迫するため、引き下げを求める声が強まっていた。
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 年間販売額が企業の予測を大幅に上回った場合に薬価を見直すルールが既にあり、販売額が1000億~1500億円で最大25%、1500億円以上で最大50%下げることができる。製造販売を手掛ける小野薬品工業(大阪市)は約1260億円の売り上げを見込むが、諸経費を含めると最終的に1500億円以上に膨らむ見通しとなったことから、厚労省は「50%ルール」の適用を検討することにした。
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 小野薬品工業は11月16日、中央社会保険医療協議会(中医協、厚生労働相の諮問 機関)総会で同社の抗がん剤「オプジーボ」の薬価を50%引き下げる方針が了承され たことについて、「唐突なルール変更。経営の予見性を損なうことがないようにしてほ しい」との見解を示した。同社は、「想定外の影響が出る」としており、業績への波及 度合いを精査している。 
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 菅義偉官房長官は16日午前の記者会見で、高額の抗がん剤「オプジーボ」の価格引 き下げに関し「当初の予定より、30数倍もこの薬が使われているわけだから、当然さ まざまな対応が必要だ」と述べた。菅長官は「諸外国と比較して、高い薬価になってい る点も大きな問題だと思う」とも語った。 
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 高額ながん免疫治療薬「オプジーボ」について、厚生労働省は16日、中央社会保険医療協議会(中医協)に、50%の緊急値下げを提案し、了承された。
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 薬価の見直しは2年に1回が原則で、次回は2018年4月の予定だったが、17年2月から引き下げる。通常の改定を待たない値下げは極めて異例の対応となる。
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 オプジーボは小野薬品工業(大阪市)が開発し、14年に患者数の少ない皮膚がんの治療薬として、世界で初めて日本で承認、保険適用された。昨年末から肺がんでも使えるようになり、患者数が大幅に増えた。薬価は100mmgあたり約73万円で、体 重60kgの肺がん患者1人年間約3500万円かかる。医療保険財政への影響を懸念 する声が高まり、同省は緊急的な値下げの検討を進めていた。
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 厚生労働省は16日、厚労相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)を開き、極めて高額のがん治療薬「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)の薬価50%引き下げを提案し、了承された。原則2年に1回の薬価改定時期を待たず来年2月1日から実施する。厚労省は当初、「最大25%下げ」で調整していたが、政府内で不十分との意見が強まり、大幅引き下げとなった。
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 オプジーボの海外での価格は日本の半額程度で、首相官邸や政府の経済財政諮問会議などが大幅引き下げを求めていた。肺がん患者1人当たりで年約3500万円かかることから、中医協でも「薬価が高額のまま患者が増えれば、医療保険財政を破綻させかねない」などの意見が出ていた。このため、厚労省は、2018年度予定の次回薬価改定よりも前に緊急値下げすることを決めた。
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 製造販売元の小野薬品工業(大阪市)は今年4月、オプジーボの年間売り上げ見込み額を1260億円と発表。この数字を、年間販売額が想定を超えたヒット薬の薬価引き下げルール(特例拡大再算定)に当てはめると引き下げ幅は「最大25%」となる。一方、厚労省は流通経費などを考慮して独自に試算し、販売額が年1500億円を突破すると判断した。ヒット薬ルールでは1500億円を超えると50%の引き下げが可能になる。
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 オプジーボの価格は類似薬がなく、開発費や製造原価、営業利益、流通経費などを積み上げて算出された。開発に約20年かかるなど開発費が膨らんだ。最初は対象患者数が約470人と少ない皮膚がんの一種「悪性黒色腫」を対象に発売され、採算を取るため100mmg73万円という高い薬価が付いた。昨年12月に一部の肺がんにも使え るようになり、対象患者数は年1万5000人程度に急増したが、16年度改定には間 に合わなかった。
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 オプジーボは患者数の少ない疾患を対象にしていたが、患者数の多い一部の肺がんにも保険適用され、財政面の課題がクローズアップされた。だが、これで「薬と財政」の 難題が解決したわけではない。オプジーボに限れば、次回の改定で引き下げが見込まれ ていた。問題は、今後も超高額薬が次々と登場する可能性があるということだ。
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 一方で、新薬を開発する企業にとっては今回のような「ルール外」の引き下げが続けば、開発意欲をそぐことにもなりかねない。厚労省は2018年度改定までに新ルールを設ける方針だが、透明性の高い仕組みとすることが求められている。


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