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   豊洲市場の安全性:日建設計・頑丈で安全だ!
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豊洲市場問題PT・第2回会議!
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 小池都知事の肝いりで、豊洲のあら捜し的なプロジェクトチームが設置され、第1回目は専門家が構造的には問題ないと言及していたが、小島委員長が意見をセーブする場面もあった。もともと、地下空間が問題とされた当初から、一体構造建設の方が安全であるというのが業界の一致した意見であった。

 東京都の豊洲市場(江東区)をめぐる一連の問題を検討するプロジェクトチーム(座 長・小島敏郎青山学院大教授)の第2回会議が10月25日、都庁で開かれた。基本設 計を担当した「日建設計」の幹部らが出席し、耐震性などのデータを示した上で「十分 頑丈に設計しており安全だ」と主張した。
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 豊洲市場では、主要建物下で土壌汚染対策の盛り土がされず地下空間が設置されてお り、耐震性へ不安の声が上がっていた。日建設計は「基礎ピット(地下空間)は頑丈で 地震時にほとんど変形しない」と説明。しかし、耐震性を再度検証するよう求める考え も示されたため、専門の委員で議論し、次回以降に結果を報告することとした。
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 市場の建物を設計した日建設計の担当者も出席して開かれ、会社側は「法令を順守し 、都が求める安全性能を満たしている」と述べ、建物の安全性に問題はないとする考え を強調した。
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 この中で、水産仲卸売場棟の一部で、床のコンクリートの厚さが構造計算書では10 mmとなっているにもかかわらず、実際には150mmだったことについて、耐震性に どのような影響が出るのか、出席した一級建築士が会社の見解を求めた。
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 日建設計の担当者は、構造計算書で10mmとしていることについて「大変心配をお かけし申し訳ない」と述べ、計算上の入力ミスだったとして陳謝。指摘されたコンクリ ートは防水用として敷いたもので、建物を支える床と梁は、このコンクリートの厚さが 150mmとなることを見込んで設計しているほか、10mmの厚さに比べ、重さは1 200t増えたものの、建物全体の重量の1%以下にとどまっているため、「耐震性は 現在のままでも十分に確保されている」と主張した。さらに、耐震性は建築基準法の1 .25倍以上とする東京都の求めを上回る1.34倍の強度を確保していると説明。
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 水産仲卸売場棟の「積載荷重」と呼ばれる、建物の床にかかる人や荷物の重さの見積 もりが1㎡当たり、およそ700kgと設定されていることについて、少なすぎるので はないかという指摘が出されたが、これに対し、日建設計側は「深さ70cmの水槽を 区画全域に設置した場合でも、重さに耐えられるよう設計していて、実際には水槽はこ れよりも小さくなり、冷蔵庫や商品の陳列台などを置いても、十分に余裕がある」と説 明した。
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 建物の地下にある空洞を考慮せずに耐震設計がされていることについて、空洞部分は 建物の構造物と見なすべきで、問題があるのではないかと指摘され、建物の模型を揺ら して空洞部分も大きく揺れる様子が示されたが、日建設計の担当者は、地下には頑丈な 基礎と梁があるため、空洞部分は地震が起きてもほとんど変形しないとして、構造物と 見なす必要はないと説明した。
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 日建設計は、豊洲市場について「法令を順守し、都が求める安全性能を満たしている 」と述べ、建物の安全性に問題はないとする考えを強調。プロジェクトチームでは、引 き続き調査を続け、次回の会合では施設の使い勝手などについて検証する。
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