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工事増加で処理ひっ迫・懸念!
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日本建設業連合会(日建連)は、建設汚泥改良土の利用を促進する取り組みを強化する。 建設発生土か、廃棄物かの判断基準の整理、品質の認定制度の創設、発注者や設計者などに
対する普及啓発を進める考え。
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首都圏では再開発工事が活発化し、大規模な土木工事も続くことから建設汚泥の大量発生が懸念されており、環境省は17年4月から海洋投入処分に対する規制を強化する方向で準備を進めている。汚泥の排出削減と改良土の有効利用へ対応を急ぐ。
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国土交通省の調査によると、建設汚泥の排出量は全国で675万トンあり、首都圏の排出量は約300万トンに上る。一方でリサイクル率は85%にとどまり、海洋投入も組み合わせた処理が行われている。建設汚泥をめぐっては、公共投資の削減に伴う需要の低迷で処理機能が低下したため首都圏では12~13年に処理が一時的にひっ迫。一部の工事の進ちょくが滞る事態も発生していた。
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日建連は、そうした事情から対策を検討。資源利用に関する東京都の15年度のモデル事業に参画し、建設汚泥改良土の利用促進に向けた実証事業を行ってきた。汚泥改良土の性能評価、品質基準・品質管理手法の確立、法的な扱いの整理が狙いで、鹿島、五洋建設など会員企業5社の10現場で、建設廃棄物協同組合の加盟3社から提供された汚泥改良土を埋め戻しに使用し、品質や課題をチェックした。
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その結果、粒径や強度といった土質の基準をクリアし、原料に問題があった1検体を除いて土壌汚染対策法に基づく指定基準を満たすことを確認。品質が均一で異物がなく、締め固めによって浅層地盤改良が不要になった現場や購入を希望する現場もあった。
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日建連は、製品として利用された汚泥改良土であっても掘削時には廃棄物として扱われるケースもあることから、利用促進のために品質の担保と理解の醸成もさらに必要だと判断。掘削時の性状で廃棄物かどうかを判断する措置の導入や、品質の担保と製品の差別化を促す認定制度の創設などに取り組むことにした。
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実証事業の結果は、9月29日に東京都内で開いた「建設汚泥に係る講演および活動事例 発表会」で明らかにした。冒頭、米谷秀子環境委員会建築副産物部会長は「4年前の状況が懸念され、熱心に取り組んできた」と活動を振り返り、問題の解決に意欲を見せた。
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