無料カウンター    2016.04.29.
   豪次期潜水艦:仏DCNSが受注・それで良い!
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現政権の対中気兼ね外交では当然のこと!
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4兆円超という金額に惑わされ!
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 菅義偉官房長官は4月26日午後の会見で、オーストラリアの次期潜水艦の共同開発事 業でフランスの企業が選定され、日本が選ばれなかったことについて「大変残念だ」と述 べた。
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ただ菅官房長官は「オーストラリアは今後もわが国の特別な戦略的パートナーであり、日 豪、日米豪の安全保障、防衛協力を進化させていく考えに変わりはない」との見解を示した。
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 今回の決定については25日にオーストラリアから通報があったという。菅官房長官によるとその際、オーストラリアからは同国独自の要求に沿って評価した結果との説明があり、日本の潜水艦設計、生産能力への敬意が表されたという。
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 オーストラリアの次期潜水艦の共同開発事業入札には日本の防衛省・三菱重工業・川崎重工業で作る官民連合と、仏政府系造船企業のDCNS、ドイツのティッセンクルップ・マリン・システムズ(TKMS)が参加していた。日本が最有力とみられていたが、武器の国際共同開発の経験が乏しいこと、豪国内で建造することに途中まで消極的だったことで、競合にリードを許した。
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 オーストラリア政府は日本円で総額4兆円を超える12隻の潜水艦調達を計画、フランスは早い段階から潜水艦を現地で建造することで雇用創出につながるとアピールしていて、これが受注につながったとみられている。
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 中谷防衛相は25日、オーストラリアのペイン国防相から「フランスの方がニーズに適合していた」と説明を受けたという。
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 中谷防衛相「大変残念に思っております。理由につきましてはオーストラリア側に説明を求めて、今後その結果をしっかりと業務に反映していきたいと考えております」.
 ディーゼルエンジンを動力とする「コリンズ級」潜水艦6隻を保有するオーストラリアは、2030年ごろから世代交代を計画。最大12隻の潜水艦を調達する予定で、共同開発相手を求めていた。日本は、通常動力型潜水艦では世界最高レベルとされる「そうりゅう型」を売り込んでいた。
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 日本は、「そうりゅう型」の実績や性能の高さ、日米豪の安保協力深化を訴えた。一方、フランス政府系造船会社「DCNS」は潜水艦の輸出経験が豊富で、現地建造による24~2900人雇用確保など地元経済への波及効果を早くからアピールしてきた。
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 次期潜水艦は建造費だけで500億豪ドル(約4兆3千億円)で、オーストラリア史上最高額の防衛装備品調達。アボット前首相は日本の潜水艦を求めたが、支持率低迷で昨年9月にターンブル氏に政権を追われて交代。ターンブル氏が経済連携を重視する中国は、豪州側に日本から潜水艦を調達しないよう、圧力をかけていた。
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 ターンブル氏は、造船業が集積する南部アデレードで会見し「フランスからの提案が豪州の独特なニーズに最もふさわしかった」と選考理由を述べ、海軍装備品の中でも最も技術レベルが必要とされる潜水艦が「ここ豪州で、豪州の労働者により、豪州の鉄鋼で、豪州の技術により造られるだろう」とし、豪州国内建造を優先した姿勢を強調。7月に実施する総選挙に向けてアピールした。
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 豪政府は当初、要求性能に近い潜水艦を保有している日本とのみ協議し、日本国内で建造することを検討してきた。日本側も、中国の影響力が増す中、潜水艦の共同開発を通して豪州との防衛協力を強める観点から交渉を進めた。
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 しかし景気が減速し豪州では当時のアボット首相の支持率が低下。日本と組むと国内経済と雇用にメリットがないとの反発が強まり、昨年2月にドイツとフランスを含めた入札に切り替えた。
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 DCNSは5000トンの原子力潜水艦「バラクーダ級」の動力をディーゼルに変更した艦を、日本は海上自衛隊が運用する4000トンの「そうりゅう型」をベースにした艦を、ティッセンクルップは2000トン級の「214型」を大型化することを提案してい た。
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 豪北部準州は2015年10月、ダーウィン港の長期リース権を約5億豪ドル(約440億円)で中国のインフラ・エネルギー関連企業「嵐橋集団」に貸し与えると発表した。 この件につき米国の調査は港湾貸与についての世論を探るものだった。
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 オーストラリアの安全保障に影響があると思うかどうかを問う質問に対し、43%が「 大い」に危険があるとし、「幾分」を含めると9割の回答者が懸念を感じていた。この結果は「経済的利益より安全保障の優先を豪政府に迫るものとなる」と評価された。
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 報道は沈静化していた貸与問題をめぐる議論に火をつける結果となり、北京で行われた中国外務省の定例記者会見にも飛び火した。
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 「オーストラリア国民は冷静に客観的になってほしい。これは国際ルールにも豪国内法にも則ったビジネスであり、両国に巨大な利益をもたらすものだ」
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 報道官はこう述べ懸念の払拭に努めた。
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 オーストラリアのターンブル首相も「米豪の軍事協力が緊密にできるよう、慎重に行っている」として、ダーウィン港の長期貸与は安全保障上の問題をクリアしたものだと強調した。
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 「オーストラリア政府は中国の戦略性を十分に調べもせずに通した。明らかな失態であり、米政府の怒りは相当なものだ」
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 ブラウン氏は、嵐橋集団は民間企業とはいえ、微妙な戦略地点でインフラなどを確保する中国の国有企業のパターンを踏んでいるとの米側の見方を紹介。情報収集や地方政府への圧力といった懸念を抱いていると指摘した。
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 米国からは、ダーウィン港の貸与が発表された直後から不満が噴出していた。
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 オバマ大統領自身、昨年11月、マニラでターンブル豪首相と会談した際に事前に相談がなかったことに不快感を表明して「次回は必ず教えてほしい」と念押しするなど、同盟国に対しては異例ともいえる厳しい態度に出ていた。
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 オバマ氏にとってはメンツをつぶされることでもあった。オバマ氏は2011年、オーストラリアを訪れて軍事上の政策転換であるアジア回帰を表明し、ダーウィンを米軍の新たな拠点にすると発表した。
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 以来、ダーウィン郊外には1000人を超す海兵隊員が巡回駐留しており、近く2500人規模に増強する方針だ。ダーウィンの豪空軍基地には戦略爆撃機を巡回駐留することも協議するなど、インドネシアを挟んで南から中国を睨む重要な戦略拠点だ。その港が中国側に長期貸与される事態は米国にとって、同盟国にはしごを外されるようなことだったといえる。
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 現在のターンブル首相の口先と腹の中の違いを読めない日本にとって、軍事機密に値するものは今後口にすべきでない。7月の総選挙と
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 今年1月29日、自由党の党首選でターンブル氏が勝ち、首相に就任、7月の総選挙に「タイトな予算案と控えめなアプローチ」で臨む構え。同首相は「財政赤字は構造上の問題で、経済成長によっては解決されない。保守連合政権は、財政修復のため、堅実な節減を求めているが連邦上院で阻まれてきた」と述べた。また、有権者に提示する税制改革案には、消費税(GST)増税が含まれる可能性があり、経済と雇用成長のための改革であることを強調した。
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 現政権も国民の高い人気にも陰りが見え、与党・自由党内では、危機感から総選挙前倒しを求める声が高まっていた。下院の任期は来年1月に切れ、総選挙は今年10月ごろまでに行われる見通しだった。
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 首相は、労働組合の弱体化を目指した豪建築・建設委員会設置法案が上院を通過しなかった場合、解散に踏み切ると明言。「労組の透明性を高める必要がある」と力説した。労組を支持基盤とする野党・労働党は法案に強硬に反対しており、審議は難航が予想される。 2015年9月15日首相就任まえに、ターンブル氏は「アボット首相はオーストラリアが必要とする経済的なリーダーシップを示すことができなかった。われわれには別の形のリーダーシップが必要だ」と述べた。ターンブル氏は記者団に対し、自身の首相就任の正当性を裏付けるため、早期選挙を実施する意向はないと述べた。
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 しかし、経済の浮揚は未だ見えず、首相就任の正当性にも影が差し、雇用創出と景気にも寄与するとして潜水艦共同開発の相手先を選挙前に決定した。ま、どの国でも、どの内閣でも同じ手を使うが、、、。
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 これから先、準同盟国としてどう扱うべきか、安倍政権も人のいい顔ばかりはしてはいられないはずだが、、、、。
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バラクーダ級は原子力潜水艦であり、製造元の仏DCNSのホムペにも unuclear submarine program Barracuda.と書かれている。バラクーダ型なる船はまだCGの世界だけであり、存在しない原潜なのだ。バラクーダ型の発展型は現在就役中のシュフラン級原潜(4760トン)である。1番艦は2016年に就役予定である。2番艦は2年半後の予定。
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 ドイツが提案していた216級は、214級の発展型で水素燃料搭載の設計なのだが、 ベースとなる214級を採用した韓国では06年6月9日に1番艦の「孫元一」で騒音問題が発生 さらに建造中の214級潜水艦でAIP機関用水素タンクが爆発する事故を起こしている。
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 仏DCNSはその他の戦闘艦艇も含めた別途オプション付きの大口契約の話をちらつかせていたようだ。(フリゲート艦9隻、警備艇12隻の建造計画)にも参画しようとしている形跡がある。
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 中国マネーを呼び込むためには、日本の潜水艦採用はタブーだった。
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