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低価格競争から入札不調へ!
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そして総合評価と言う有為転変へ!
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地方自治体の職員による入札情報の漏えい、施工者と設計者、業界と役所、情報のやり 取りで金になる談合は昔も今も「握ったものが勝ち」の世界である。
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ここ暫くは、東北大震災の高速道路復旧工事での、舗装業者が公取委のやり玉に挙がっ ているが、復興工事でも積算価格は特別ブックを作って積算したのであろうか。
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通常の状況下でない割増しの計算は東北3県、関東圏によっても積算基準が異なるはず である。関東・東北で省庁、自治体が一気に発注すれば地域の需給バランスが崩れ、人件
費、資材は日毎に値上がりすることは「阪神大震災復旧で経験済」のはずであるが、現実はお構いなしに発注が繰り返された。
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小自治体では、これらの渦に巻き込まれ、施工者も価格も追いつかず、施工を延期したことも事実である。舗装工事は、どの場合でも最終工程の最後の工事である。施工の段階では人件費、資材がピークになるころだ。
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公取委の舗装談合を否定はしないが、アスファルトプラントに近い業者が工区を落札し、施工するのは過去の例から見て至極当然である。過去の事例で談合を云々するならわかるが、復旧工事で談合を追及するのは不自然だ。
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一罰百戒の意味で摘発したのなら無駄なこと。公取委でも、摘発できないが地方自治体にまで広がっている「総合消化方式」だろう。点数を決め、配点し、審査するのは全て発注者側で、価格が安ければ受注できるわけではない。技術点、提案点の採点は行政側が握っているのだから、事前に情報を得て、それに沿った提案をすれば高得点が取れる。
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談合と分かっていても、入札結果が数行で説明される「総合評価方式」は限りなく不透明だ。
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ここ2~3年、入札で顕著な現象がみられる。入札が成立しない現象が目立っているのだ。
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建設資材の高騰や人手不足が一気に進み、公共事業の入札に参加する業者が現れず、「入札不調」となる事例が各地で続出しているのである。
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例にとれば秋田市である。老朽化した市庁舎の建て替えを予定したが、入札不調が続き、足踏み状態となっていた。入札では、指名した5JVが「見積価格が予定価格を超過する」として辞退し、入札中止となった。
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このため、予定価格を1割ほど上げて入札をやり直したが、申し込みすらなかった。再 度予定価格を引き上げて、3度目の入札を実施し、最終は2013年11月15日に清水・千代田・シブヤ・田村JVが鹿島との2者入札で125億1720万円(予定額・125億3327万400円)で落札した。
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公共事業の入札に参加する業者が現れないことなど、これまでの常識ではあり得ないことで、まさに、未曾有の事態であった。入札不調が連続し、3回目の入札に賭けるのは、秋田市だけではなく、富山県射水市(市庁舎)、長野県飯山市(市民会館)などもそうだ。
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3回目の入札でやっと落札業者が決定したのは、広島県呉市(市庁舎)、山形県酒田市(市庁舎)などである。かつての「談合時代」が過ぎ去り、「低価格競争」に変わり始めた直後に、今度は「入札不調」という新たな現象が全国に広がっているのである。
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