無料カウンター    2016.03.13.
   南シナ海:海自の役割は中国原潜の恒常監視!
   
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米国の対中封じ込めに協力!
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補給・支援の活動拠をどこに!点
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 中谷防衛相は2月17日、来日中のハリス米太平洋軍司令官と会談し、緊迫する南シナ 海問題について、日米が共同訓練などを通じて連携することを確認した。
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 米国が本腰を入れ始めた南シナ海での「対中封じ込め」に日本も組み込まれることを意 味する。海上自衛隊が対中封じ込めでどんな貢献ができるのかは、スバリ中国戦略原潜の 恒常監視である。
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 中国は従来、南シナ海を巡って国際法上無理としか言いようのない領有権の主張とその実効支配を積み重ねてきた。軍事的観点に絞れば、その最大の狙いは「ソ連がオホーツク海をミサイル原潜の聖域とし、アメリカに対する核攻撃の切り札としたことと同様に、南シナ海をミサイル原潜の聖域とし、地上発射戦略核ミサイルに加えた核の切り札とする」ことにある。
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 つまり固定サイロに収められた地上発射戦略核ミサイル(ICBM)は、米国に位置を把握されているため、その先制攻撃で破壊される恐れがある。このため報復力(第2撃能力)を担保するため、先制攻撃を回避できる戦略ミサイル原潜とその活動海域が必要となるのだ。
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 このうち東シナ海や黄海は水深が浅く、日本や韓国に近いことから潜水艦の活動が困難であるために(同上)、南シナ海が重要となるのである。
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 既に中国は海南島に地下式潜水艦基地を整備し、そこに新型の「晋」級戦略ミサイル原潜を配備して、その行動の秘匿に傾注している。
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 海自は冷戦期、恒常的にソ連潜水艦の動向把握を行っており、その蓄積とノウハウを生かして南シナ海での中国戦略ミサイル原潜の行動を恒常的に監視し、米国に貢献する。それが尖閣防衛での米国のコミットメントにもつながる・・・・というのが、制服幹部が披 露してくれた「私見」である。
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 南シナ海という限られた海域で平時に戦略ミサイル原潜が行動する場合、複数の航路を設けたとしてもおそらく一定の行動パターンが形成されるものと思われる。海自が恒常的な監視(主に対潜哨戒機による上空監視)からそのパターンを解析できれば、米国が有事に際して先制して中国戦略ミサイル原潜を捕捉・破壊する上で有益な情報となることは間違いない。これが結果的に日本の戦略的価値を高め、尖閣有事に際して米国の介入が期待できる根拠となる。
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 南シナ海で海自が監視活動を行う際のネックが、海自には活動の拠点が現在存在しない ことだ。
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 南シナ海で十分な監視活動を行うには、その近傍に補給・支援を担う活動の拠点が必要となる。つまり周辺国に海自の航空機や護衛艦の常時寄港を受け入れてもらう必要が生じてくるのである。例えば、米国はフィリピンから基地を撤去したが、1998年に訪問米 兵協定を締結して同国を活動の拠点にすることを可能にしている。日本も同様な協定を周 辺国と結ぶ必要がある。
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 日本は、拠点作りのための周辺国との協定の締結に奔走することになる。