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全社が増収・営業増益!
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大林組、鹿島、清水建設、大成建設の上場ゼネコン大手4社の15年4~12月期決算が2月9日出そろった。豊富な手持ち工事の消化が進み、全社が増収。完成工事総利益(粗利益)率の改善が着実に進んだことで、全社が営業増益となった。
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業績の先行指標となる受注高(単体ベース)は、前年同期に国内土木で大型案件を獲得した反動減があったものの、大林組、鹿島、大成建設の3社が前年同期を上回った。16年3月期は大成建設を除く3社が増収、4社が営業増益を見込んでいる。
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ここ数年、各社共通の懸案事項だった国内建築工事の採算悪化に歯止めが掛かり、粗利益率の改善傾向が鮮明になってきた。単体ベースの粗利益率は、大成建設が11%、大林組が10%台、鹿島と清水建設が9%台まで改善が進んだ。
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特に苦戦していた建築工事の粗利益率は、
・大成建設が10・2%(前年同期6・4%)、
・清水建設が9・5%(5・6%)、
・大林組が8・6%(4・1%)、
・鹿島が8・4%(1・7%)
ーーと改善傾向が顕著に表れた。
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工事採算の改善による売上総利益の増加に伴い、利益の改善も進んだ。全社が営業利益、経常利益、純利益の三つすべてで増益を達成。大林組と鹿島は三つの利益、清水建設は営業利益が3桁増と大きく伸びた。
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受注高は、全社が9000億円台を確保し、大林組、鹿島、大成建設の3社が前年同期の実績を上回っている。前年同期に東京外かく環状道路(外環道)都内区間の本線トンネル工事を受注したための反動で、国内官公庁発注の土木は4社とも2桁の大幅減。民間、海外を含む土木全体では大林組を除く3社がマイナスとなった。
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建築工事の受注高は、清水建設を除く3社が前年同期の実績を上回った。大林組が国内官公庁と海外、鹿島が海外でそれぞれ3桁の大幅増となった。大成建設は国内民間工事の受注を伸ばし、国内官公庁と海外の落ち込み分をカバーした。
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16年3月期の単体受注高は、
・清水建設が1兆3000億円台、
・大林組と大成建設が1兆2000億円台、
・鹿島は1兆1000円台、
大林組は予想値を昨年11月の公表時から150億円引き上げた。
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