2015.12.12.



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内閣府:米利上げの影響懸念!

日本取り巻く世界経済を分析!
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 内閣府は12月12日、日本を取り巻く経済情勢を分析した報告書「世界経済の潮流」を発表し、来年にかけての世界経済のリスク要因として月内にも見込まれる米国の利上げを挙げた。「米国経済と新興国経済に大きな影響を及ぼす恐れがある」と懸念を示した。
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 米連邦準備制度理事会(FRB)は米景気が拡大していると判断し、15〜16日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)で2006年以来、9年半ぶりとなる利上げを決める公算が大きい。
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 報告書は米利上げの影響について、ドル高が進んで米国の製造業の収益が悪化しかねないと指摘した。
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 つまり、米ドルが基軸通貨であり、世界の商取引の多くがドルを資金決済で利用することから、常にドル需要があり、そのドルを調達する金利が上昇することが避けられないためだ。高金利である米国のドルが買われる展開になれば、為替レートで自国通貨安ドル高のため、ドルを調達する費用が増加する可能性がある。
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 日本でいえば、自国通貨安になると、輸出系企業にとっては競争力が高まることから恩恵も多く、大手メーカーなどの輸出企業業績が改善したことで、外需関連銘柄の多い日経平均株価も一時、2万円台まで回復した。このような恩恵を受けることができるのは、先進国くらいだろう。格付け機関の外部格付けも高く、比較的容易にドル資金を調達をすることができる日本や企業は、ドル資金を容易に調達でき、他国通貨へ交換することも可能だ。
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 新興国においては状況は異なる。いくら輸出競争力が高まっても、自国の格付けは低く、債券発行や借り入れでのドル資金調達の際は、非常に高い金利とならざるを得ない。
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 結果として、消費が伸びる前に借り入れを返済することができず、デフォルトする企業が増える可能性が高い。消費をけん引している新興国の低迷は、着実に先進国にも影響を与えることになる。
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 利上げとなれば、影響は世界経済全体に及ぶ。アメリカの消費者が利用するクレジットカードの金利はもちろん、マレーシアの企業が借り入れたドル建て融資の金利も変わる。金利が低かったときにドル建て融資を受けた新興国企業は、金利負担が増えることになる。
今年3月末時点で、アメリカ以外の借り手(銀行を除く)のドル建て債務残高は総額9兆6000億ドルにのぼる。この状況でFRBが利上げを行えば、デフォルト(債務不履行)懸念で市場はパニックに陥るだろうとみられている。
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 FRBとしてはなるべく早く金利を正常化(引き上げ)したい。が、世銀やIMFは、世界経済の回復が確かなものになるまで、ゼロ金利の維持を働きかけている。
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 アジア開発銀行(ADB)の中尾武彦総裁は3日、米連邦準備理事会(FRB)が12月に利上げに踏み切ったとしても、「米金利の上昇は相当市場に織り込まれており、アジア通貨危機時のような混乱にはならない」との見方を示した。
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 2016年の円はどうなるのか。円安と円高の観測が相半ばする予想だ。円は主要通貨に対して2012年から昨年までの3年間、弱い通貨となった後、今年は対ドル以外のほとんどの通貨ペアに対して上昇。この結果、円の名目実効為替レートは今年緩やかに上昇している。
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 つまり、ドル円相場だけを見ていると分かりにくいが、円は昨年までの3年間と異なり、今年は強い通貨となっているのだ。理由は、他でもない、円を取り巻くファンダメンタルズが劇的に変化しているからである。日本の経常黒字の大幅な増加だ。昨年の黒字はわずか2.6兆円だったが、今年は9月までで、すでに13.1兆円に達している。今年の経常黒字は16.7兆円となり、来年は18.5兆円にさらに拡大すると予想している。
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 ドル円の下落を予想する方の多くが指摘する日本の経常黒字の拡大について考えてみよう。経常黒字は10月までの累計で14.6兆円と、昨年の2.6兆円を大きく上回っている。経常黒字の拡大は、時間差を伴って円買いの動きにつながるとの指摘もある。
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 1ドル=120円を大きく割り込む円高は考えにくいとの考えは、米国景気次第の面はあるものの、来年のドル円は日米金利差の拡大を背景に下値を固めながら「じり高」の動きを続けると考えた方がむしろ自然だろう。
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