2015.11.08.



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南シナ海問題:フィリピン・仲裁裁判所へ!

中国の主張退ける・本格審理入り!
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 中国による南シナ海での領有権主張は国際法に違反しているとして、フィリピンが求めた仲裁手続きについて、常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)は10月29日、フィリピン側の一部の訴えに関して裁判所に管轄権があると判断し、審理を続行すると発表した。
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 1年先には、この問題がはっきりする可能性がある。フィリピンは3月30日、国連の常設仲裁裁判所に提出した4000ページの意見陳述書の中で、九段線が無効だと主張した。こうした主張はこれまでで初めて。九段線に法的強制力がないと判断されれば、国連海洋法条約に基づいて設定された排他的経済水域(EEZ)内の沖合いのエネルギー資源や漁業資源の開発が可能となる。中国はこれまでのところ、法的手続きを行っていない。
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 仲裁手続きへの参加自体を拒否する中国の主張を事実上退け、国際司法機関が本格審理入りの判断を下した形だ。中国にとっては造成中の人工島周辺への米国艦艇派遣に続き、大きな“逆風”となる。
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 同裁判所が管轄権を認めたのは、フィリピンが訴えた15項目中、中国が埋め立てた岩礁を「領海」の起点とすることの合法性や、フィリピン漁民への妨害行為など7項目。一方、中国が南シナ海のほとんどで主張する「歴史的な主権」を審理するか否かについては、決定を留保した。
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 今後は再びフィリピン側の訴えを聴き、来年にも結論を出す。審理は非公開だが、傍聴を希望するマレーシア、インドネシア、ベトナム、タイ、日本についてはこれまで通り認める。
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 中国外務省の陸慷報道官は30日の定例記者会見で、「フィリピン側が提出した南シナ海の仲裁案を受け入れないし、参与しない」と強く反発。「決定は無効で中国に対して何の拘束力も持たない」と強調した。
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 一方、フィリピンの担当官は「平和で公正な紛争解決の実現へ意義ある前進」と評価した。米国の高官は「南シナ海の領有権紛争において国際法が妥当であることを示した」と歓迎している。
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 フィリピンは2013年1月、仲裁手続きを申請し、14年3月に陳述書を提出。裁判所は中国にも陳述書の提出を求めたが拒否され、今年7月に中国抜きで口頭弁論を行った。
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 常設仲裁裁判所とは、紛争の調停や審査を行う国際機関の一つ。1899年の国際紛争平和的処理条約に基づいて設立された。国連海洋法条約で定めた領海や海洋資源をめぐる争いの解決も行う。一方の当事国の参加だけで審理を進めることができる。
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 中国外務省によると、中国の習近平(シージンピン)国家主席は11月7日、訪問先のシンガポールで中台首脳会談に先立って講演し、「南シナ海の諸島は古来、中国の領土であり、領土主権と海洋権益を守るのは中国政府の責務だ」と主張した。
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 米軍が10月末、中国が造成した人工島の12カイリ内で巡視活動をして以降、習氏が公の場で南シナ海問題について言及したのは初めてとみられる。
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 習氏は「(南シナ海において)これまで航行や飛行の自由に問題はなかったし、これからも問題は起こらない」とした上で、「中国は東南アジア諸国連合の国と共に南シナ海の平和と安定を維持する能力と自信がある」と述べ、米国などの介入を暗に批判した。
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 この件に関する国連仲裁裁判所の判断は明らかでないが、フィリピン政府の主張が認められる場合には、中国はその判断を単に無視し、以前と同じことを続けるだろう。最も簡単な解決策は、当事国すべてが領有権問題を棚上げし、同地域の天然資源の共同開発に焦点を絞ることだ。
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