2015.11.06.



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三菱樹脂・中国で野菜工場:甘草の栽培にも寄与!

食の安全は何処も同じ!
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三菱ケミカルホールディングス傘下の三菱樹脂が開発・販売し、農家などに納めている野菜工場だ。昨年から中国に売り込み始めたばかりだが、すでに数カ所に納入済みで、それ以外にも活発な引き合いが来ているという。
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 杭州湾南岸の港湾都市、浙江省寧波市。海沿いの原野に囲まれた一角に、三菱樹脂が納めた野菜工場はポツンと立っている。
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 ここでは主に、ほうれん草や小松菜といった葉菜類を無農薬で栽培している。人工光を使ったコンテナ式装置「苗テラス」で苗を育てた後、ビニールハウスに移し、太陽光と、水に肥料を溶かした培養液で水耕栽培する仕組みだ。ビニールハウスの室内は、温度や湿度を厳格に管理。露地栽培の4〜5倍にあたる年19回の収穫が可能だ。
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 中国食品に拒絶反応を示す日本人消費者は多いが、それは中国人も同じだ。むしろ、日本以上に中国食品にさらされた彼らの方が自己防衛意識は強く、調理前に野菜用の洗剤を使うのが一般的となっているほど。地溝油を避けるため、レストランに食用油を持ち込む客もいるという。
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 こうして普及しつつある同社の野菜工場だが、ほかにも「中国発リスク」の軽減に役立っている。
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 同社の野菜工場では、漢方薬の約7割に使われている薬用植物の甘草(かんぞう)も栽培できる。財務省貿易統計によると、14年に輸入された甘草は1673トン。そのうち9割以上の1548トンが中国から輸入された。
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 野生の甘草は乱獲が進んでおり、中国政府は00年から砂漠化防止を理由に採取制限を行っている。このため常に需給は逼迫し、価格が上昇。レアアース(希土類)ならぬレアプラント(希少植物)という言葉まで生まれ、中国内の漢方薬メーカーにとっては安定確保が喫緊の課題となっている。
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 こうしたなか、三菱樹脂は6年間にわたり環境ベンチャーのグリーンイノベーションと苗テラスの類似設備を使った甘草の人工栽培法を研究。気候風土の違いもあって国内栽培は難しいとされてきたが、今年7月に量産技術を確立した。人工栽培が定着すれば、使用量の削減や代替素材の活用が進んだレアアース同様、「脱・中国依存」に道を開く可能性がある。今後は人工的に育てた苗を農家へ供給し、収穫された甘草を買い取ってメーカーに納めるといったビジネスモデルを検討していく考えだ。
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 中国が経済発展と引き換えに抱え込んだ問題を日本の技術で解決すれば、中国人の生活向上につながり、日本も“とばっちり”を受けずに済む。野菜工場は、そうした日中をつなぐ技術の代表例になる可能性を秘めている。