2015.10.18.



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中国・2025年人口はピークに:最大14億1千万人に!

その後・人口は減少転ずる!
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これからの課題は年金保障!
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 中国社会科学院人口・労働経済研究所は、中国の総人口が2025年に約14億1
千万人のピークを迎え、その後減少するとの見通しを明らかにした。
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 50年には現在の13億7000万人を下回る見込み。7日付の英字紙チャイナ・デーリーが伝えた。
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 中国は今月、共産党第18期中央委員会第5回総会(5中総会)を開き、来年からの次期5カ年計画を討議する。これらの推計結果は計画策定に際し考慮されるとみられる。
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 同研究所の張車偉所長によると、総人口は高齢化と低出生率のため、50年には
13億人程度に減少する。懸念される労働力人口の減少に関し、張氏は「適切な政策を取れば、少なくとも10年は中速度の経済成長を支えることができる」と述べた。
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 現在中国においては、経済成長と少子高齢化が同時に進行しており、人口構造の変化に対応すべく持続可能な社会保障制度を導入することが社会安定化のために重要な意味を持っている。また、少子高齢化に伴う社会保障負担の増加が経済成長の足枷となる可能性も指摘されている。以下では中国における人口構造の変化と、社会保障制度、特に人口動態の及ぼす影響が大きい年金制度について議論する。
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 まず、国連による中国の2050年までの人口構造予想をみると、15歳未満の人口で定義される年少人口は1970年代後半にピークを迎えた後減少を続けており、15〜64歳で定義される生産年齢人口は2015〜2020年の間にピークを迎え、その後減少を始める。
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 他方、65歳以上の高齢者人口は一貫して増加を続け、2035年には年少人口を上回ると予想されている。中国における急激な出生率の低下は、1979年に始まった一人っ子政策をはじめとする強力な人口政策がその一因として挙げられる。また、1980年代以降の改革・開放政策により、経済発展とともに農業以外の収入が増加し、家庭内労働力の重要性が低下することに伴い、多産は家計の負担になるとの認識が広まり、多産を避ける傾向が中国全土に広まった。そして、高齢化は、経済成長に伴う医療技術の向上、公衆衛生の発展により死亡率が低下したことによる。
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 中国の年金保険制度(養老保険)は、都市戸籍を持つ者に対する制度である「企業職工養老保険」と、農村戸籍を持つ者に対する制度である「農村養老保険」に分けられる。
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 現行の年金制度は、賦課方式(基礎給付部分)と積立方式の混合型であり、双方の制度の利点を組み入れたものとなっているが、課題も少なくない。まず、現在個人口座に納付された保険料のうち、企業が納付した保険料の大部分は退職している従業員への支払に充てられている。保険料の個人口座には受益権益が記録されているにすぎず、口座内の金額は言わば「空」である。
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 現在、個人口座に「空」の口座ができることへの改善策として、@2000年以降、各省のモデル市では、試験的に個人口座は個人のみからの拠出(本人賃金の8%)とし、企業からは拠出しない、A社会プール(基礎給付)部分は企業からの拠出のみとし、個人口座からの流用を行わないことを徹底する、という対策がとられている。
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 年金の「空」口座による潜在的な債務額は、今後の資金調達政策等にも依存するが、2兆2000億元に達していると推計されている。
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 1992年に「県レベル農村社会養老保険基本方案(試行)」が公布・実施された。制度の概要は以下のとおりである。
@保険の適用対象者は、商品としての食糧を国家から購入していない、満20歳以上の農村戸籍を持った者で、加入は任意。
A保険料は個人納付を主とし、集団補助を従とした上で更に政府が支援し、個人名義の口座に納付する。
B保険料については月当たり2〜20元の10段階(2元ごと)あり、加入者の自由選択。
C年金受給の開始年齢は60歳。
D年金月額は個人口座の貯金残高÷120で、年金受給には10年の保証期間が付く。
E保険基金の管理は県が統一的に実施。

 都市部と農村部の年金比較は
@納付された保険料は完全積立方式であり、個人が保険料を本人の個人年金勘定に積み立て、引退後に運用利子収入と積立額を年金給付として受け取るため、いわゆる個人口座の「空口座」問題は発生しない。
Aしかし、社会プール部分がなく、共済制度にはなっていない。
Bさらに、都市部における年金制度と比べて保障レベルが非常に低い(都市部の年金の平均給付額は500〜600元であるのに対して、農村部は100元程度)。
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 このため、農村においては依然として家庭が老後の生活の重要な経済的支援源となっている。
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 中国の年金制度を取り巻く環境は依然として厳しさを増している傾向があり、そしていわゆる「破片化」になっている現在の年金制度の改革を進めるための課題は山積みである。人口高齢化などはすでに都市年金の扶養率の低下をもたらした。今後都市部のみならず、農村人口の高齢化も年金制度の持続可能性にいっそうマイナスな影響を及ぼすことが予想される。中国もいよいよ国民皆年金・皆保険の時代を迎えようとしている。これは人口高齢化に伴う長期リスクに他ならない。
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