2015.10.07.



無料カウンター

東北大震災・農業施設復興:談合の疑い!

公取委・7社に立ち入り!
.
上限ぎりぎりで落札!
.
.
.
 東日本大震災で被災した農業施設の復旧を巡り、農地が被害を受けた宮城、福島県の自治体が国の復興交付金を基に発注した農業用大型ハウス建設工事などを巡り自治体や農業協同組合(JA)が発注した農作物栽培用の施設整備の入札で談合を繰り返していた疑いが強まったとして、公正取引委員会は10月6日、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で、東証1部上場の井関農機(松山市)など農業設備メーカー7社の立ち入り検査を始めた。
.
 不正による7社の落札総額は165億円以上とみられる。
.
 施設整備には復興交付金が充てられており、復興関連事業を巡る談合疑惑がまたも浮上した。
.
.
立ち入り検査先は、
1.井関農機のほか、
2.ヤンマーグリーンシステム(大阪市)
3.三菱マヒンドラ農機(松江市)
4.渡辺パイプ(東京都中央区)
5.大仙(愛知県豊橋市)
6.イノチオアグリ(同)
7.サンキンB&G(大阪市)−−の7社。
.
.
 7社は東北地方の自治体やJAが震災後に発注したイチゴや野菜栽培用の鉄骨ハウスやパイプハウス、暖房装置など農業施設の一般競争入札で、事前に話し合って落札業者を決めていた疑いが持たれている。公取委は今後、担当者らから事情を聴くなどして全容解明を進める方針。
.
 農林水産省によると、東日本大震災では東北地方を中心に農地約2.4万haが冠水。農業用倉庫や鉄骨ハウスなどの農業施設の被害額は約490億に上った。このうち宮城、福島両県の被害が約360億円で、全体の7割以上を占めた。
.
 国は2011年度以降、復興交付金約420億円を支出し、農業施設整備を支援している。復興関連事業を巡っては、公取委が今年1月、震災で被災した高速道路や国道の復旧工事の入札で談合を繰り返していたとして、大手舗装業者など計20社を独禁法違反容疑で強制調査している。
.
 井関農機など4社は「検査には全面的に協力したい」とコメント。渡辺パイプと大仙は「事実関係を確認中でコメントできない」、サンキンB&Gは「回答できない」とした。
.
 復興交付金が充てられた農業施設整備の入札を巡る談合疑惑で、公正取引委員会の立ち入り容疑の一部とみられる入札の落札額が、事前に決められた上限価格(予定価格)に極めて近かったことが関係者の話で分かった。公取委は談合によって落札額がつり上がり、事業費の無駄遣いにつながったとみて調べる。
.
 復興庁によると、鉄骨ハウスは建設後、被災農家らに貸し出され、農家らは管理費などを市町村に支払って施設を使っている。園芸資材メーカーなどでつくる日本施設園芸協会によると、鉄骨ハウスはイチゴやトマトの栽培、育苗に使われる。
.
 宮城県亘理町が2012年8月に実施したイチゴ栽培用ハウス5施設の入札では、井関農機やヤンマーグリーンシステムなど公取委の立ち入りを受けた5社が、1件ずつ落札した。落札額は約24億7300万〜約6億9900万円で、落札率は99.12%〜94.81%と高率だった。
.
 また、同県山元町は12年10月と13年7月にイチゴ栽培用ハウス6施設の入札を実施。このうち13年の入札では井関農機など2社が落札率97.90%と98.60%で1件ずつ落札し、約14億9300万円と約6億2200万円で契約を結んだ。
.
 いずれも資材不足や人手不足で工事費が高騰していた時期で、公取委は、各社が高騰した経費を上乗せし、上限ぎりぎりで落札して利益を確保しようとしたとみている。
.