2015.08.23.



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ギリシャ首相・突然辞任:「反汚職」の闘い続けるのか!

特権階級にメスのつもりが!
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再度国民の支持があれば!
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 ギリシャ経済はEUの支援が決定しても依然としてヨーロッパでもっとも閉鎖的で競争力に乏しく、大きな経済格差問題を抱えている。
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 依然として一握りの裕福な一族、オリガーク(少数の特権階級の支配者)たちがギリシャの政治を支配し、特権的立場を維持し、権力がもたらす恩恵を政治家たちと共有している。
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 ギリシャ総選挙でチプラス現首相が率いる急進左派連合(SYRIZA)が勝利して以来、外部から押し付けられた緊縮プログラムとの闘いに国際社会の注目が集まる中、ギリシャ国内では、急進左派による「反汚職」というもう一つの闘いが始まっていた。
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 反汚職担当相に任命されたパナギオティス・ニコルディス氏(65)は最高裁で検察官を務め、経済犯罪を専門としてきた人物。新ポストでは、ギリシャの政治・経済を支配してきた一部の有力実業家らを対象に汚職一掃を進めていく。
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 ニコルディス氏は先週議会で演説を行い、「国家と公共サービスが自らの利益のために存在すると考える」エリート層を非難した。同国では、一部実業家による政治家への影響力行使、契約受注のためのメディアへの支配力乱用、自らが有利になるような規制変更、違法行為の訴追回避に対して批判が出ている。
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 チプラス首相は、「オリガーク(少数の特権支配者)」と呼ぶ富豪に対する抜本的な措置を発表。これには民間テレビ局の再認可手続き、銀行と「癒着」した人物への融資の中止、一部の民営化事業の終了、海外銀行に口座を持つ国民の税務監査強化などが含まれる。
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 首相は先週の議会演説で、「ギリシャを危機に追いやり、国際的な価値を下げた政治・経済体制を打破する」と語った。バルファキス財務相も、税収増加、市場開放、経済成長の促進のため、「オリガーキー(寡頭制)を崩壊させる」と述べた。
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 急進左派のラファザニス・エネルギー相は議会に対し、アテネの旧ヘレニコン空港の跡地売却計画について、撤回を目指してを見直す考えを表明。この計画では、跡地はギリシャ一の富豪、スピロス・ラトシス氏一族が経営権を握るラムダ・デベロップメントに売却される予定になっている。
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 ラムダは先週発表した声明で、売却見直しの可能性は「ギリシャが切実に必要としている海外投資家を落胆させるようなメッセージを送った」と失望を示した。
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 一方、自身の一族が石油精製事業や造船業、メディア事業に関与する実業家のヤニス・バルディノヤニス氏は、チプラス首相の反汚職への取り組みには「正当性がある」と指摘。ギリシャのビジネス環境に腐敗的な悪影響を与えた体制は存在するとし、汚職行為の取り締まりは経済成長と事業への信頼感の回復にプラスとなるとの見解を示した。
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 専門職団体と公的部門の労働組合という既得権益集団も存在する。極右・極左勢力が台頭しかねない社会・経済環境にあるというのに、それでもオリガークと既得権益層は、ギリシャだけでなく他のヨーロッパ諸国さえも犠牲にして、恩恵を手にし続けている。
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 オリガークとの癒着、イタリアベルルスコーニ前首相との贅沢三昧の交遊、ソチに自分の”宮殿”の建設と新興オリガークと密着するロシアのプーティン。ロシアは新興でもウクライナやギリシャは古典的なオリガークが影の実力者として君臨する。彼らは政治と癒着し、銀行や報道機関も手中にしている。
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 ギリシャの借金は、トルコとの軍拡競争にも一因がある。長い間、キプロス問題を抱え、最近発見されたエーゲ海の石油・天然ガスについても、北キプロスは採掘権を要求し、対立の火種となっている。キプロス国民の78%がギリシャ人とされ、18%がトルコ系とされる。1960年の独立後、民族間の対立が激化。1974年、ギリシャ軍事政権は鎮圧・併合を試みたが、失敗に終わった。
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  ギリシャの軍事費は約70億ドル(2013年、世銀)で、実質GDPは1610億ユーロ(2013年、IMF)。軍事費の対GDP比は約2.3%にのぼる。ギリシャの兵器輸入相手国は、ドイツ40%、米国28%、フランス20%。不思議なことに、ギリシャには兵器産業は存在していない。ギリシャには、「これ」といった産業が極めて少ない。一番大きな産業は豊かな文化・歴史遺産を持つ観光だ。
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 産業がないという事は、ギリシャの最近の行き詰まりに関して、「国家をあげて遊びほうけたことの当然の報いだ」と手厳しい欧州各国の非難があり、ギリシャの商店が潰れ、工場は稼動せず、失業者は増えて(率は23%に達する)、多くの国民が海外への出稼ぎに向かい、行き先はアフリカや南米であり、かつての地球規模での人の動きとは逆となっている。
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 税金問題でも、ギリシャの金持ちはまず税金を納めていないか、納めていても該当額のごく一部。この国の徴税能力が極めて低く、国民も納税意識が低いという根本問題がある。
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 ギリシャ国民が「投票で金持ちになれる」という愚かな考えでチプラス首相を選んだが、EUの支援を受けるため緊縮政策を受け入れざるを得ず、国民はチプラス首相の決断に不満を表明。国民の貢献が不十分なことが同国の救済の妨げになっていることを国も国民も反省していないギリシャにとって、借金踏み倒しが唯一の手段となる日も近い。
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 高笑いするのは、一部の金持ちだけだ。
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